長く相場に付き合っていくなかで、常勝ということは可能性としてはほぼゼロに近い数字になるかと思います。そうなると、避けて通れないのが損切りです。出来ることであれば避けたい行動ではありますが、損切りを適切なタイミングで実行できる人が本当にトレードの上手な人であると考えることもできます。
トータルで利益を上げるには、損切りを理解し、実践していくことが大事です。利益を上げるトレードを行っている人でも、利食いと損切りであれば損切りの方が圧倒的に多いという話もあります。利食いは長く、損切りは早くが鉄則です。本記事では、損切りの目的や重要性、損切りの方法、注意点などについて解説します。
FXの損切りとは?
FX取引において為替相場が自身の売買と反対の値動きをすると、損失を抱えることになります。たとえば、買いのポジションを保有している際に価格が下落していく場合は損失を抱えます。このような損失を抱かえた状態のポジションを決済し、損失を確定させることを「損切り」と呼びます。
損切りは、FX取引だけではなく、株式投資などの金融取引では一般的に行われますが、投資において損切りは、損失をなるべく小さくする重要なテクニックの一つです。投資では利益を大きくしつつ、損失を小さくして、通算してプラスを狙うことがセオリーだと言われています。損切りを判断することは、実際には躊躇してしまいますし、いつかは戻るのではないかなどの甘い考えもでてきます。ただ、損切りを素早く行い次のチャンスに備えることと、逆の値動きをしている中で戻りを期待するのでは、状況が大きく違います。損切りはマイナスを出す行動ですが、投資テクニックの一つです。
損切りをしない場合はどうなる?
損切りをしない場合の最悪のケースは、ロスカットになってしまうことです。ロスカットとは、証拠金維持率がFX会社の設定する一定水準を下回る場合(GMOクリック証券では50%)に発生するもので強制決済されます。ロスカットは投資家を守るために導入されているものですが、全ての保有ポジションが決済されてしまうため、仕切り直しが難しくなります。適切なタイミングで損切りをすることにより損失額を最小限に抑えられ、残り資産を次の投資にまわして再び利益を狙うことができるため、損切りは大切ということになります。
FXで損切りすべきタイミング
損切りをいつ行うのかという課題ですが、ケースバイケースで考えてしまうとどうしても躊躇してしまいます。自身の資産状況とポジション数量を照らし合わせ、事前に損切りを行うルールやタイミングを決めておくといいでしょう。パターンとしては3つ考えられます。
①自身のトレード根拠が崩れた時
たとえば、テクニカル分析でこのサポートラインを割ってしまうと自身の分析や想定と逆の動きを見せているので、その場合は損切りを判断します。
②相場が反転した時
取引しているトレンドが反転して、新しいトレンドが始まった時は、マイナスのポジションを抱えがちになるので、損切りを判断します。
③自身で決めた損失額に達したとき
これは独自ルールになりますが、許容損失額は予め設定することが大切であり、また、同損失許容額を順守することはFX投資を行う上で重要です。
FXで損切りをする方法
仕事や家事などで忙しい方にとって、為替相場を常にチェックし続けることは困難です。プロの投資家でない限り、自身で相場を見ながら、その場で損切りのタイミングを判断するのは現実的でないため、前もって損切りする基準を決めておき、その基準に達したら、自動的に損切りをする方法を設定することが必要です。一般的には、この注文方法を「逆指値」を設定すると言います。
買いポジションを保有している場合
買いポジションは、為替相場が上昇した時に売却すると利益が出ますが、為替相場が下降してしまうと損失を抱かえることになります。前もって、為替相場がいくらまで下がったら損切りするかを決めておき、その為替相場でストップ注文(逆指値注文)を出すことにより、自動で売り注文が出され、損切りされます。自身の相場観、許容損失額、テクニカル分析のポイントを勘案し、逆指値注文を設定するようにしましょう。設定については、1ドル=150円の買いポジションを保有し、140円まで下がったら損切りする場合、140円でストップ注文を出すイメージです。
売りポジションを保有している場合
売りポジションは、買いポジションとは真逆で、為替相場が下落した時に買い戻すことで利益が出ますが、為替相場が上昇してしまうと損失を抱かえることになります。前もって、為替相場がいくらまで上がったら損切りするか決めておき、その為替相場でストップ注文(逆指値注文)を出すことでリスクヘッジを行います。設定については、1ドル=140円の売りポジションを保有し、150円まで上昇したら損切りする場合、150円でストップ注文を出すイメージです。
OCO注文で損切りを設定する場合
OCO注文とは、2つの注文を同時に出しておいて、どちらかが成立したらもう片方の注文が自動でキャンセルされる注文方法です。たとえば、1ドル=150円の買いポジションを保有し、140円になったら損切りを行い、160円になったら利益確定したいという場合、「140円になったら損切りの売り注文」、「160円になったら利益確定の売り注文」を一緒に注文する方法です。売りポジションを保有している場合も、同じ考え方で、2通りの注文を出します。OCO注文は、損切りだけでなく、利益確定の注文も同時に出せるため、非常に便利な注文方法です。
FXで損切りをする際の注意点
FXで損切りをする際の注意点としては、値動きが大きな時はスリッページが発生しやすくなることが考えられます。スリッページとは、FXで発注や決済を行った際の価格と、実際に約定(注文が確定)した際の価格がズレることを指します。重要な経済指標の発表直後や、週明けでマーケットが開いた直後など、一時的に値動きが激しくなる時があり、そのような状況だとスリッページが発生しやすくなるため、逆指値を設定していても、設定通りの価格で執行されないことがあります。
損切りポイントを決めたうえでポジションを建てる
損切りが難しいと言われる理由は、自身で決めた損切りのルールを守らないといけないところにあります。どうしても、損失を確定するのを先送りし、相場が反転するのを期待する考えが出てしまいますが、ズルズルとマイナスを抱えてしまうより、早く損切りを行い、仕切り直した方が精神的にも相場的にも有利に働く可能性が高いと言われています。損切りポイントを決めた上で、ポジションを建てることが、長く相場と付き合う中では必要不可欠になるのではないでしょうか。
損切りルールを決めたら必ず守る
追い詰められての損切りと、予め決めておいたルールでの損切りでは、資金管理という側面で大きく違います。追い詰められての損切りでは、学びがないですし、今後も同じ過ちを起こしてしまいます。決めたルールを守ることは、目先の損失にとらわれず、1回の取引の損失をできるだけ小さくすることにも繋がります。感覚での損切りは、毎回損切りするタイミングが変わるため取引結果の反省が難しくなるので、自身のトレードスキルの向上を考えても、ルールの順守は徹底するようにしましょう。
損切りをした日は取引を止めることも検討する
極端な考えではありますが、損切りをした日は、取引をやめるのも一案です。損切りで損失が確定すると、その損失を取り戻そうとして、レバレッジの高い取引を行ったり、ナンピンで取り返そうとしてしまう傾向が強くなります。冷静な取引ができなくなり、さらに大きな損失が発生する可能性も孕んでいます。損切りした日は、平常心で取引できないことがあるので、相場に慣れるまでは、まずはセルフコントロールを優先するのも考えてみてください。相場格言にも「休むも相場」という言葉があるくらいです。
まとめ
FXだけでなく、金融商品全般に言えることですが、投資に100%勝てるということはありません。勝つことも負けることもあるため、出来るだけ勝ちは大きく、負けは少なくして、通算でのプラスを目指しましょう。
そのためにも損切りは重要な手段であり、前以て損切りのルールやタイミングを決めておくことは大切です。相場の動きをリアルタイムで追ってその場で損切りの判断をするのは難しいので、ストップ注文(逆指値注文)やOCO注文を出しておいて、自動で損切りする状態にしておくことも考慮しましょう。
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