
FXのIFD(イフダン)注文とは、新規注文と決済注文を同時に発注できる注文方法を指します。成行注文、指値注文が一般的ではありますが、IFD注文は取引を自動で完結させたい方に適しているほか、感情的な判断を防ぎやすいのがメリットです。常にマーケットを監視できるような環境であれば、必要のない注文方法かもしれませんが、ほとんどの投資家は専業トレーダーでもない限り、常にマーケットを監視するようなことは不可能です。
本記事にてIFD注文とはどのような発注方法なのかを理解し、損失を限定しつつ利益を積み上げるためにも、使い方や注意点をしっかり把握しておくことが重要です。
FXのIFD注文とは?

FXのIFD(イフダン)注文とは、新規注文と決済注文を同時に発注する注文方法です。たとえば、現時点の為替レートが150円の場合、149円に下がったタイミングで購入し、その後151円になったら決済する、といった複合的な注文を一度に発注できます。新規注文から決済注文まで自動で完結できるのがIFD注文の特徴であり、取引時間の確保が難しく取引画面を開けなかったり、チャートを確認できなかったりする方などに適しています。
なお、新規注文が約定して初めて決済注文が有効になるため、新規注文が約定しない場合は決済注文も約定しない点は把握しておく必要があります。
FXでIFD注文するメリットは?

IFD注文は新規注文と決済注文を同時に発注しておくことで、取引を自動で完結できることがメリットであり、チャートを観察し続けるのが難しい方などに向いている注文方法です。主なメリットをまとめると、「チャートを観察し続ける必要がない」、「新規注文と損切り注文を同時に発注できる」、「感情に左右されにくい」の3つが挙げられます。
チャートを観察し続ける必要がない
IFD注文のメリットの一つは、チャートを観察し続ける必要がないことです。IFD注文は一度発注することで新規建てから決済までの一連の流れを自動で行えるため、取引にかかる時間効率がよく、スケジュールが調整しにくい仕事をしている方などにおすすめの注文方法です。
新規注文と損切り注文を同時に発注できる
新規注文と損切り注文を同時に発注しておけることもメリットの一つです。あらかじめ損切り注文を発注しておくことで想定以上の損失の拡大を抑えやすいほか、損切りのタイミングを逃してしまうリスクも回避できます。特に初心者の場合は自分の判断で損切りを行うのが難しいケースもあるため、新規注文と同時に損切り注文を発注しておけるのはメリットと言えます。
感情に左右されにくい
IFD注文は新規建てから決済までの取引を自動で完了できるため、感情的な判断による取引を防げるというのもメリットの一つです。
FXで取引を行う際、その場の感情に左右されてしまうと取引の根拠を見失ってしまう可能性があります。例えば「新規建てをした時はこの水準で利益を確定させる予定だったが、より利益を伸ばせそうなのでもう少し様子を見てみよう」、「この水準で損切りをする予定だったが、相場のトレンドが反転しそうなのでもう少し様子を見てみよう」などといった状況がありがちです。自動で取引を完結させられることにより、感情的なトレードを避けられ、事前の根拠に基づいた取引ができることはメリットと言えます。
FXのIFD注文の使い方
FXのIFD注文では、指値注文と逆指値注文(ストップ注文)の2種類の注文を出すことができます。これらを組み合わせることで、損失リスクを限定できるような注文にすることも可能です。
指値注文

指値注文は、約定希望価格を指定する注文方法のうち、現在より有利なレートを指定する注文方法です。有利なレートとは、買い注文であれば現在価格より低いレート、売り注文であれば現在価格より高いレートを指します。
例えば、為替レートが150円の場合、149円になったら買い注文を行う、151円になったら売り注文を行う、などといった注文になります。事前に注文予約ができるため、設定しておけば指定した価格で取引を行えるのが指値注文のメリットです。
逆指値注文(ストップ注文)

逆指値注文(ストップ注文)は、約定希望価格を指定する注文方法のうち、現在より不利なレートを指定する注文方法です。不利なレートとは、買い注文であれば現在価格より高いレート、売り注文であれば現在価格より低いレートを指します。たとえば、為替レートが150円の場合、151円になったら買い注文を行う、149円になったら売り注文を行う、などといった注文です。
利益の確定や損切りを行うときに使用されることが多い注文方法で、指値注文同様に事前に注文予約ができるため、設定しておけば基本的に指定した価格で取引を行えます。(相場変動が激しい場合は、指定よりも不利なレートでの約定となる場合もあります。)
これにより、不意に予想と逆方向に相場が動いてしまったとしても、利益の減少や損失の拡大を限定できるのが逆指値注文のメリットです。
指値注文と逆指値注文を組み合わせる方法も

FXのIFD注文では、指値注文と逆指値注文を組み合わせて発注することができます。
たとえば、現在の為替レートが150円の場合、押し目買いを狙って新規買い注文(指値)を149円、そして同時に損切りラインとして決済注文(逆指値)を148円に設定したとします。為替レートが149円まで下がった際に新規ポジションを立てた後、予想に反して147円まで下落が止まらなかったとしても、148円の時点で決済注文が執行されるため、損失を半分に限定させることができます。
このように、あらかじめ損失リスクを限定させられるのが、IFD注文で指値注文と逆指値注文を組み合わせるメリットです。
FXのIFD注文の注意点

取引を自動で完結できるIFD注文ですが、決済注文を1つしか出せない(指値決済か逆指値決済)など、注意点もいくつかあります。想定外の大きな損失を回避するためにも、IFD注文の注意点についてしっかり把握しておくことが必要です。
決済注文は1つのみ
IFD注文では決済注文を1つ(指値決済か逆指値決済)しか出すことができません。つまり、指値注文を設定しておくなら損切り(逆指値側)を手動で行う必要があり、逆指値注文を設定しておくなら利益確定(指値側)を手動で行う必要があります。
想定外の大きな損失を回避するためにも、基本的には逆指値注文を設定しておき、利益確定は手動で行うようにするのがおすすめです。
逆指値注文を設定しないと損失が大きくなる可能性
前述の通り、IFD注文では決済注文を1つしか出すことができませんが、逆指値注文を設定しない場合、相場が急変した際に損失が想定外に大きくなる可能性があります。特に初心者の場合は、逆指値注文を設定しておくことが望ましく、損失を限定しトータルの取引で利益を残せるように心がけることが重要です。
微調整は目視がおすすめ
IFD注文は事前に相場の動きを予想し、設定したレートで取引が実行されるようにする注文方法です。しかし、発注後の実際の相場の動きによっては、設定したレートに達する前に取引を実行した方が良い場合もあります。そういった細かい微調整などは、目視で相場動向を追いながら行うのがおすすめです。
ただし、損切りラインを調整する場合は、その時の感情に左右されて損失を不用意に拡大させないよう、注意が必要です。
まとめ
IFD注文に関しては、新規注文から決済注文まで自動で完結できるのが魅力です。特に、チャート観察や取引に時間を割くことが難しい方に向いている注文方法です。しかし、決済注文は1つしか設定できないため、「利益確定の指値注文」と「損切りの逆指値注文」のどちらを設定しておくか選択する必要があります。
初心者の場合は特に逆指値注文を設定しておき、利益確定は手動で行うことで、損失を限定させるのがおすすめです。
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