
外国為替取引(FX)において、OCO(One Cancels the Other)注文は利益確定と損失制限のための注文を同時に設定できるため、リスク管理の面においても優秀ですし、レンジ相場においては非常に有効な取引方法に活用できます。また、利益、損失を設定することができるため、相場急変時などのリスク管理も効果的に行うことが可能です。
本記事では、OCO注文とはどういった注文方法なのか、具体的な使い方、メリット、デメリットなどをわかりやすく解説します。専業トレーダーのようにずっとマーケットを監視できる方というのは非常に稀であり、ほとんどの方がマーケットを見る時間は限定的であることが多いため、是非OCO注文の利便性を習得してください。
FXのOCO注文とは?

OCO(オーシーオー)注文とは、2つの注文を同時に出し、一方が約定するともう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。利食いの決済注文と損切りの決済注文を同時に出すことができるので、容易にリスク管理を行うことができます。
また、レンジ相場などでは、このラインの上限を上抜けてしまうと相場転換、下限を下抜けてしまうと相場転換などの場合、レンジ相場までは一定の値幅で取引を行い、上限下限のラインを抜けた場合には損切りの決済注文を入れておくなどの取引方法も可能です。最大のメリットとしては、相場をずっと監視できない状況下でもリスク管理を行いながら売買を行うことができる点です。
FXのOCO注文方法
OCO注文は、新規注文でも決済注文においても発注することが可能です。ただ、新規注文でのOCOと決済注文でのOCOでは、活用方法が違ってくるため、次章でそれぞれどのような発注ケースがあるのかを説明します。また、OCO注文ではこれが正解といったやり方はありませんので、具体例を参考に自身に合うやり方で活用ください。
新規注文としてのOCO注文
新規注文としてのOCO注文では、2つの具体例を紹介します。
【①想定のレンジ相場が続いており、今後も続くと考えられる場合】

・相場の上下を有効的に利用することで利益獲得につながる可能性がある
・現在より高いレートでは売り注文を出し、安いレートでは買い注文を出す
例:現在米ドル/円レートが155円で過去150円から160円のレンジ相場が続いており、しばらくこのレンジ相場が続くと想定している場合
・仮に米ドル/円が150円に下がったら150円で買い、160円に上がったら売るといった2つの新規注文を同時に発注する
・OCO注文であれば、一方の注文が成立すればもう一方の注文は自動的に取り消される
【②現在はレンジ相場だが、今後上値抵抗線と下値抵抗線のどちらに抜けるかわからない場合】

・新規の買い逆指値注文と売り逆指値注文を出す
例:現在米ドル/円レートが155円で過去150円から160円のレンジ相場が続いているが、今後150円もしくは160円に到達した場合に、それぞれの方向に進む流れが加速すると想定した場合
・上値の160円に買いの逆指値注文、下値の150円に売りの逆指値注文をする
決済注文としてのOCO注文

決済注文としてのOCO注文としては、以下の事例の使い方が最もシンプルで有効であると考えられます。
・注文決済でOCO注文を行った場合、利益確定と損失制限(損切り)の設定を同時に行える
例:1ドル155円で米ドル/円の買いポジションを持っており、「156円になったら利益確定、154円になったら損切り」したいと考えた場合に、「156円で指値注文(売り)」「154円で逆指値注文(売り)」を同時に入れることができる
・成立しなかった一方の注文は自動的に取り消しとなる
FXのOCO注文のメリット

OCO注文においては、スキャルピングのような取引方法を主体としている場合はメリットの享受がほぼないと考えられますが、デイトレードやポジショントレードをメイン方法として取引している場合には多くのメリットを享受できると考えられます。ただ、OCO注文は非常に有効な注文方法ですが、メリット以外にもデメリットも存在します。次章では、メリットの説明を行い、次にデメリットの解説をします。
損益リスクをコントロールできる
OCO注文は、新規注文と決済注文を同時に設定できるため、損切りと利益確定の両方を同時に設定することができます。また、あらかじめ設定した価格で自動的に注文を出してくれるため、感情にも左右されません。利益確定のタイミングや、損失をできるだけ小さく抑えたい時に有効です。
また、感情の部分では、成行の場合はマイナスの状況であれば「いつかは戻るかもしれない」、「今が最安(最高)かもしれないからもう少し様子を見たい」などの考えがでてしまいますし、指値の場合はもう少しだけ指値のレートを下げよう(上げよう)という気持ちで最初のルールを破ってしまうことも少なからずあるかと思います。ただ、OCO注文に関しては、利食いと損切りの決済注文を同時に入れていることにより、一方方向に感情が動くことが少ないため、損益リスクコントロール以外にも、感情のリスクコントロールにも有益です。
決済の手間を省ける
OCO注文を使えば、あらかじめ価格を設定しておくことで、機械的にエントリーと決済を行うことができます。チャートをずっと監視し続ける必要がなくなるため、トレードの負担も減らせますし、時間も有効に使うことができます。
特に、日中は仕事や家事でマーケットをそれほど見る時間がないというトレーダーの方が多いでしょうし、夜中にFOMCのような米国の大きな指標があっても、マーケットを見ることができないという方が多いと思います。ただ、既にポジションを持ってしまっているし、今の水準で決済はしたくないという考えの場合は、ここまでの損失幅であれば納得がいく、ここまで行けば利食いを行いたいと考えているのであれば、OCO注文を行うことで納得の取引が可能となります。
FXのOCO注文のデメリット

ここまでOCO注文のメリットを紹介しましたが、デメリットとしては2点あります。どちらもOCO注文だからという特異的な理由ではありませんが、1つ目はOCO注文の一方は逆指値注文になるため、スリッページが発生しやすいということです。2つ目は部分決済に対応できないという点が挙げられます。
希望通りの価格で約定しない時がある
市場が急変している場合などはスリッページが発生し、希望価格よりも不利な価格で約定することがあります。通常の逆指値注文においても同様のデメリットはありますが、必ず逆指値注文は希望価格通りにならないこともあるという点は覚えておきましょう。
スリッページとは注文した価格と実際に成立する価格の差のことであり、100円の米ドル/円の買いを持っていた場合、105円の利食いの指値と99円の損切りの逆指値注文であるOCO注文を行った場合、99円の逆指値注文が99円よりも悪いレートで約定する可能性があることを指します。
ー部分決済に対応していない
OCO注文は、部分決済には対応していないため、10万通貨の中で5万通貨だけ決済するなどの部分決済には対応できません。部分決済のような取引をOCO注文で行いたい場合は、1万通貨の注文を10回行い、注文ごとにOCO注文を紐づけることはできますが、保有ポジションの管理に手間がかかりますので、あまり推奨はできません。
FXのOCO注文の注意点

OCO注文は、新規注文と決済注文を同時に設定する必要があるため、初心者の方には注文の仕方が複雑と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、内容としては入口と出口を同時に行う意味合いなので、一度覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。特にリスクコントロールに有効ですので、是非活用ください。
先に説明したメリット・デメリットの理解に加えて、ある程度OCO注文を行うには正確にチャートの価格変動を予測できる必要があります。闇雲に指値注文と逆指値注文を行うのでなく、長く相場と付き合っていくにはチャートを駆使してテクニカル分析を勉強したり、ファンダメンタルズ分析を学ぶことが大切です。
まとめ
OCO注文は、新規注文と決済注文を同時に設定できるため、損切りと利益確定の両方を同時に設定することができる注文方法です。利食いの指値注文と損切りの逆指値注文を同時に発注することにより、損益のリスクコントロールもできますし、感情のリスクコントロールも可能です。
また、リスクコントロールもそうですが、レンジ相場などではレンジの高値安値を利食いと損切りの目安とすることで、効果的な取引も可能です。非常に有益な取引方法ではありますが、初心者の方にははじめは難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、一度覚えてしまえばそれほど難しいものではなく、メリットの大きい注文方法なので是非活用ください。
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