FXのピボット(PIVOT)とは?特徴や使い方、注意点を詳しく解説

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FXのピボット(PIVOT)とは?特徴や使い方、注意点を詳しく解説

FX取引の「ピボット(PIVOT)」とは、テクニカル分析に用いられる指標の1つです。一般的に短期トレード向きのテクニカル指標として、多くのトレーダーに利用されています。テクニカル分析の勉強を始め、移動平均線や一目均衡表などに慣れてきた頃に、気になるテクニカル指標ではないでしょうか。本記事では、ピボット(PIVOT)をどのように活用すればいいのか、使う際の注意点は何かなどを詳しく解説します。

FXのピボット(PIVOT)とは?

FXのピボット(PIVOT)とは?

FX取引の「ピボット(PIVOT)」とは、RSI(Relative Strength Index, 相対力指数)の考案者でもある米国のテクニカルアナリスト、ジョン・ウェルズ・ワイルダー・ジュニア(John Welles Wilder.Jr)によって考案されたテクニカル指標です。
ピボット(PIVOT)には前日の高値・安値・終値を基に引かれる7つのラインがあり、それらは決められた期間において想定される値幅を示します。7つのラインの呼称と計算式は以下の通りです。

1.P(ピボットポイント、基準線) = (前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値) ÷ 3 
2.R1 = (2 × P) – 前日の安値
3.R2 = P + 前日の高値 – 前日の安値
4.R3 = R1 + 前日の高値 – 前日の安値
5.S1 = (2 × P) – 前日の高値
6.S2 = P – 前日の高値 + 前日の安値
7.S3 = S1 – 前日の高値 + 前日の安値

※Rはレジスタンスライン、Sはサポートラインを意味します。
※一般的に前日の終値はC(Close)、前日の高値はH(High)、前日の安値はL(Low)と表記されます。

FXのピボット(PIVOT)の使い方

他のテクニカル指標などから相場の勢いや流れを把握し、ピボット(PIVOT)をレジスタンスライン(抵抗線)やサポートライン(支持線)として併せて活用することで、どこで売り買いをするかの判断に役立てることができます。
次章では、相場の反転のタイミングを狙って取引する逆張り手法と、相場のトレンドに乗って取引する順張り手法、それぞれにおけるピボット(PIVOT)の使い方を解説していきます。

ピボット(PIVOT)の逆張り手法

ピボット(PIVOT)の逆張り手法

逆張り手法では、7本のラインのうちS1・S2・R1・R2の4本のラインを目安として使います。これらのラインに到達したら相場が反転するという考えから、価格が下落してサポートラインであるS1またはS2に到達したら、その後上昇に転じると予想して買いサイン、逆に上昇してレジスタンスラインであるR1やR2に到達したら、その後下落に転じると予想して売りサインと判断します。
S1・R1とS2・R2のどちらを目安にするかは価格変動の勢いによるため、他のテクニカル指標などを併用して相場の勢いや流れを把握することが重要です。どのようなテクニカル指標と併用するのが良いかは、次章の項目で解説します。

ピボット(PIVOT)の順張り手法

ピボット(PIVOT)の順張り手法

順張り手法では、7本のラインのうちS3・R3の2本のラインを目安として使います。価格がR3を上抜けたら上昇トレンド発生と見なして買いサイン、S3を下抜けたら下降トレンド発生と見なして売りサインと判断します。
またS3・R3に到達するということはS1・S2やR1・R2を既に突破していることになりますので、逆張り手法から順張り手法に切り替えた方が良い目安のラインとも言えるでしょう。

FXでピボット(PIVOT)と併用できる指標

先述の通り、ピボット(PIVOT)を上手く活用するには、これ単体を利用して売り買いの判断を行うのではなく、他の指標と併用して複合的な判断を行うことが重要です。ピボット(PIVOT)と併用できる5つの指標を紹介しますので、どのテクニカル指標が自身に合うかどうかを確認ください。

移動平均線

移動平均線

移動平均線は、一定期間の価格の平均値を線で繋いだテクニカル指標で、単純な平均値を繋ぐ単純移動平均線(SMA, Simple Moving Average)や、直近の価格の比重を高めた平均値を繋ぐ指数平滑移動平均線(EMA, Exponential Moving Average)などがあります。EMAは直近の価格の比重を高める分、SMAよりも直近の値動きに対して敏感に反応します。
主な判断方法として、移動平均線の傾きや角度を見ることで、トレンドの方向性や強弱を判断することができます。具体的には、上向きに傾いていれば上昇トレンドで、下向きに傾いていれば下降トレンド、また角度が垂直に近いほどそのトレンドが強く、水平に近いほど弱い、といった見方です。
ピボット(PIVOT)と移動平均線を併用することで、中長期の目線でのトレンドの強さや値動きの方向性を確認できるため、より高い精度で売り買いのタイミングを判断することができます。

MACD

MACD

MACD(Moving Average Convergence Divergence)は、短期と長期の指数平滑移動平均線(EMA)を基に算出される2本のライン(「MACD」と「シグナル」)を持つテクニカル指標です。
それぞれの計算式は以下の通りです。

・MACD = 短期EMA - 長期EMA
・シグナル = MACDのEMA

MACDとシグナルの位置関係や交差によって、相場の強弱やトレンド転換のタイミングを読み、売り買いのタイミングを判断することができます。具体的には、MACDがシグナルラインを下から上へ突き抜けたら買いシグナル(ゴールデンクロス)、MACDラインがシグナルラインを上から下へ突き抜けたら売りシグナル(デッドクロス)といった見方です。
ピボット(PIVOT)とMACDを併用することで、主に逆張り手法において、相場の反転を予測する精度を上げることができます。

RSI

RSI

RSI(Relative Strength Index, 相対力指数)は、一定期間における値上がり幅の合計と値下がり幅の合計の比率を指標化したテクニカル指標です。RSIは0から100までの値で表され、一般的に70以上になれば「買われ過ぎ」であるため売りサイン、30以下になれば「売られ過ぎ」であるため買いサインと判断します。
ピボット(PIVOT)とRSIを併用することで、主に逆張り手法において、相場の反転を予測する精度を上げることができます。

フィボナッチ・リトレースメント

フィボナッチ・リトレースメント

フィボナッチ・リトレースメントは、過去の高値と安値の間に対してフィボナッチ比率(0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%)に基づいた水平のラインを引くテクニカル指標です。特に23.6%、38.2%、61.8%ラインが重視され、これらをサポートラインやレジスタンスラインと見なすことで相場が反転するポイントを読み、売り買いのタイミングを判断することができます。また半値となる50%ラインも、補足的に見られることがあるため、確認項目として認識しましょう。
ピボット(PIVOT)とフィボナッチ・リトレースメントを併用することで、それらが重なるラインはレジスタンスラインやサポートラインとしてより強いと言えるため、更に高い精度で売り買いのタイミングを判断することができます。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、移動平均線とそれに標準偏差(σ, シグマ)を加味した複数のラインで構成されるテクニカル指標です。基本的には基準となる移動平均線と移動平均線±1~3σの計7本のラインで構成されます。この7本のラインが形成するバンド(帯)の中に値動きが収まる統計学的確率を基に相場が反転するポイントを読み、売り買いのタイミングを判断することができます。
各バンドの中に値動きが収まる確率は次の通りです。

・±1σの間に収まる確率 = 68.2%
・±2σに収まる確率 = 95.4%
・±3σに収まる確率 = 99%

ピボット(PIVOT)とボリンジャーバンドを併用することで、主に逆張り手法において、相場の反転を予測する精度を上げることができます。
また補足としてσが大きくなるほど、即ち各ライン間の幅が広くなるほど、その時点の相場のボラティリティ(価格変動の度合い)が高いと判断できます。値動きが大きければ狙える利益も大きくなるため、取引のチャンスと言えるでしょう。

FXのピボット(PIVOT)の注意点

FXのピボット(PIVOT)の注意点

ピボット(PIVOT)はあくまで過去の値動きに基づいて計算される参考指標であり、必ずしも将来の値動きを保証するものではありません。よって前述の通り単体での利用ではなく、他のテクニカル指標と組み合わせて利用し、経済ニュースなどを基にしたファンダメンタルズ的視点も加味することで、売り買いのタイミングを複合的に判断することが重要です。
次章では、ピボット(PIVOT)を利用する上での主な注意点を3つ解説します。

ラインが有効なのは当日限り

ピボット(PIVOT)は前述の通り前日の高値・安値・終値を基に計算される指標であるため、そのラインが有効なのは当日限りです。次の日には当日の高値・安値・終値を基に新たな値が計算されるため、同じ値を使い続けることはできません。

単体での利用は難しい

ピボット(PIVOT)はあくまで現在の相場環境を認識するための一指標として利用するものであり、それ単体で売り買いのタイミングを精緻に判断することは難しいと考えられます。よって、前述の通り他のテクニカル指標やファンダメンタルズ的視点を併用して売り買いのタイミングを複合的に判断することが重要です。

トレンド相場との相性が悪い

ピボット(PIVOT)はレンジ相場において上手く機能しやすい反面、強いトレンド相場ではあまり機能しないケースがあるため注意が必要です。そうした場合は、別のテクニカル指標などを駆使して売り買いの判断を行った方がよいでしょう。

FXのピボット(PIVOT)を使って精度の高いトレードを目指そう

FXのピボット(PIVOT)を使って精度の高いトレードを目指そう

ピボット(PIVOT)は、トレンド相場でなくレンジ相場において有効なテクニカル指標になります。また、単体での運用は難しく、他のテクニカル指標と組み合わせることでマーケット動向を把握します。
注意点としては、ラインの有効期限は当日のみとなるため、この点には注意しましょう。逆張りと順張りでは活用方法が違うため、どのラインがどのような効果があるのか、まずはこの点の把握を行ってください。使い方としては非常にシンプルであるため、サポートライン、レジスタンスラインとしてピポットを活用し、他のテクニカル指標の売買サインで取引を行うと、より効果が見えてきます。

まとめ

FX取引の「ピボット(PIVOT)」は他の指標と併用することでその威力を発揮するため、他の指標についての知識、テクニカル分析の理解、FX取引自体の経験も積み重ねていくことが大切です。
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