本記事では、「CFD取引は勝てない」といわれる理由について、CFDのリスクを踏まえたうえで詳しく解説します。リスクを抑えて取引をするコツやCFD取引するメリットなども紹介するため、CFD取引を検討中の方はぜひ参考にしてください。
CFDとは?
CFDとは「Contract For Difference」の略称で、日本語では「差金決済取引」と呼ばれる取引です。
値動きの対象となる資産そのものを現物で受け渡すのではなく、取引開始時と終了時の価格差によって生じた損益のみを受け渡すことで取引を行う仕組みになっています。
なお、FXと同様に、担保として「証拠金」を預けることにより、レバレッジをかけた取引が可能です。レバレッジとは「てこの原理」という意味があり、用意した資金よりも大きな金額で取引できる仕組みのことです。
レバレッジはCFDの銘柄によって異なり5~20倍のレバレッジをかけることができます。例えば手元に10万円の証拠金がある場合、レバレッジ10倍の銘柄であれば100万円分の取引が可能です。
CFD取引は勝てないと言われる理由・リスク
CFDには一般的な金融商品と同様に、いくつかのリスクが存在するため、やみくもに取り組んでいても思うように利益を得ることができません。取引を始める前に、CFDのリスクや対処法を知っておきましょう。
価格変動による損失リスク
世界経済は絶えず動いており、各国の経済や社会情勢、金融政策などによって、CFDの価格は常に変動しています。CFDは他の投資と同様、予測通りに価格が推移すれば利益を狙えることもあるでしょう。一方で、元本保証はないため、売買の判断を誤ると損失が発生し、元の投資額を下回るリスクがあることには注意しなければなりません。
さらに、大きくレバレッジをかけた場合には、手持ちの資金に対して、大きな損失が発生する可能性があります。レバレッジをかけると少ない資金で効率的に大きな利益を狙える反面、損失額も大きくなってしまうため、注意が必要です。
価格変動による損失リスクを最小限に抑えるためにも、取引に慣れるまでは高いレバレッジでの取引は避けましょう。デモトレードで利益を出すコツを掴んでから、本番の取引に臨むのもよいかもしれません。
ロスカットが発生するリスク
CFDでは、損失が膨らむことで、口座に預け入れた証拠金が一定の証拠金維持率を下回った場合、ロスカットが執行されます。
ロスカットは一定水準以上の損失が発生した場合に損失の拡大を防ぐための役割なので決してデメリットばかりではありません。しかし、予期しないタイミングで決済することになってしまえば、結果として思うような利益を得られなくなるかもしれません。
そのような事態を避けるためにも、余裕を持った資金で取引するよう心がけましょう。
調整額が発生する
CFD取引では、価格調整額・権利調整額・金利調整額の3つの調整額が発生します。
- 価格調整額:CFDの参照原資産である先物の限月を乗り換える際に発生する調整額
- 権利調整額:CFDの参照原資産の株式等において配当金・分配金の支払いなどが行われた際に、株主が受け取れる権利をCFD保有者にも付与するための調整額
- 金利調整額:CFDのポジションを保持したまま翌営業日以降に持ち越した場合に発生する調整額
これらの調整額は受け取るだけではなく、支払いが必要となり、損失が発生するケースもあるため、注意が必要です。具体的な調整額や発生するタイミングは、銘柄・証券会社によっても異なります。どのようなルールで調整額が発生するのか、取引をする前に確認しておきましょう。
スリッページが発生する可能性
CFDは、注文した価格と実際に約定する価格に開きが発生する「スリッページ」が起こる可能性があります。
スリッページは頻繁に起こる現象ではありません。しかし、相場が一方向に急激に変動するようなときには、トレーダーが発注してからその注文がFX会社のサーバーに到達(約定)するまでの間にレートが変わってしまい発生することがあります。スリッページにより、自身の思うような価格で取引ができない可能性がある点に注意しましょう。
なお、FX会社によっては、スリッページの許容設定ができる機能があり、設定した範囲以上にレートが変動した場合は注文が成立しないようにすることができます。
CFDを取引するメリット
以下では、CFD取引のメリットを詳しく解説します。
取引銘柄が多く、世界各国の金融商品へ投資できる
取引銘柄が多く、世界各国のさまざまな金融商品へ投資できるのが、CFDを取引するメリットの1つです。
通常、株式や先物などの金融商品に投資する場合、それぞれの専用口座を作らなければなりません。しかし、CFD取引であれば、1つの口座から世界各国の市場で取引されている金融商品に手間をかけずに投資できます。
CFD取引では、以下のようにさまざまな商品を取引対象としています。
- 商品CFD(金、銀、原油など)
- 株価指数CFD(日本225、米国30、米国NQ100など)
- 株式CFD(テスラ、マイクロソフト、NVIDIA、コインベース、Appleなど)
選択肢が多いため、CFDなら取引したい銘柄も見つけやすいでしょう。
下落相場でも利益を狙える
上昇相場だけではなく、下落相場でも利益を狙えるのも、CFD取引のメリットです。
たとえば株式に投資する場合、基本的に株価が上がらないと利益を得られません。しかし、CFDは現物の受け渡しを行わない差金決済取引のため、買いからだけでなく売りからも取引を始められます。そのため、買いから入ったときは、買った価格よりも高い価格で売ることができれば、売りから取引に入ったときは、売った価格よりも安い価格で買い戻すことができれば、利益を得られるのです。
上昇相場だけではなく、相場が不調で下落が続いている局面でも利益を狙うチャンスがあるため、多くの取引機会を得られるでしょう。
ほぼ24時間取引ができる
土日を除く平日なら、ほぼ24時間取引できるのも、CFDのメリットといえるでしょう。
時間に縛られず自身のライフスタイルに合わせた投資が可能です。
ただし、実際の取引時間は銘柄によって異なるため、事前に確認しておくようにしましょう。
取引の期限がない
CFDは先物取引と違い、取引に決まった期限がない点もメリットです。
先物取引の場合、銘柄ごとに取引の期限(限月)が決まっています。そのため、期限をまたいで取引する場合は、損失が出ている状態でも一旦決済をし、次の限月へと乗り換えなければなりません。
一方、CFDはこの乗り換え作業を証券会社が行っているので、実質的に取引の期限はなく、任意のタイミングで売買できます。
相場状況をみながら、決済期限を気にせずに売買できる点は、先物にはないCFDの魅力と言えるでしょう。
※CFDの参照原資産である先物の限月を乗り換える際に発生する「価格調整額」が発生する点に注意しましょう。
取引手数料が無料または安価である
CFDの取引手数料(売買手数料)は、基本的に無料または安価に設定されている場合が多くなっています。取引手数料が高いと手元に残る利益が少なくなってしまうため、この点は大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、取引をする際に売値と買値の差分である「スプレッド」が発生するケースが一般的です。また、個別株CFDなど銘柄によって取引手数料が発生する証券会社もあるため、取引を始める前にどのくらいのコストがかかるのか、確認しておきましょう。
※GMOクリック証券は手数料無料で取引できます。
CFD取引でリスクを抑えるコツ
以下では、CFD取引で大きな損失を出さないようにするために、押さえておきたいコツを解説します。
レバレッジをかけ過ぎないようにする
CFD取引のリスクを抑えるためには、レバレッジをかけ過ぎないようにすることが大切です。
レバレッジを活用することで、口座に入金した証拠金以上の取引ができる点はCFDの魅力です。
だからといって、やみくもに高いレバレッジで取引すると、為替相場が思惑と反対方向に動いてしまった際には、手持ちの資金に対して大きな損失が発生する可能性があります。高いレバレッジで取引をすることで、大きな利益を得ることばかりに目が向いてしまい、売買に関して冷静な判断ができなくなるリスクもあるでしょう。特に初心者のうちは、レバレッジをかけ過ぎていないか常にチェックしましょう。
国際情勢の動向を注視する
国際情勢の動向を注視することも、CFD取引におけるリスクを減らすことにつながるでしょう。取引をする際は、目先の値動きだけではなく、各国の金融政策や政治的な要因、テロや戦争といった有事が与える影響にも目を配り、銘柄ごとにどのような影響があるかを把握することが重要です。
取引銘柄を増やしてリスク分散する
CFDでは、取引銘柄を増やしてリスク分散することも大切です。
投資や資産運用の世界では「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言があります。これは特定の商品だけではなく、複数の商品に投資しリスクを抑えるべき、といった内容を意味しています。
CFDの各銘柄は、常に同じ値動きをするわけではありません。
異なる値動きの銘柄に投資すれば、特定の銘柄が値下がりした場合には、他の銘柄の値上がりでカバーでき、保有している銘柄の間で生じる価格変動のリスクを軽減できる可能性があります。
スプレッドが狭い証券会社を利用する
CFDのリスクを抑えるためには、スプレッドが狭い証券会社を利用することも重要なポイントです。
スプレッドは実質的な運用コストにあたるため、スプレッドが広ければその分だけ利益が減ってしまいます。同じような銘柄であってもスプレッドは証券会社によって異なるため、取引回数を重ねるたびに損益に差がついてしまう可能性があるでしょう。より有利な取引をするためにも、スプレッドが狭い証券会社を選ぶことが大切です。
CFDの取引コストを抑えたい方は「GMOクリック証券」の利用を検討しよう
CFDの取引コストを抑えたい方は「GMOクリック証券」の利用を検討してみてください。GMOクリック証券のCFDは、手数料無料で取引可能です。
無料のデモトレードも利用できるので、初心者の方も練習を重ねてから取引を始められるのも魅力です。
GMOクリック証券は、多くのお客様に選ばれており、国内店頭CFD取引高で9年連続No.1(※)を獲得しています。気になった方はこの機会に口座開設してみてはいかがでしょうか。
※店頭CFDの年間取引高は、日本証券業協会及び日本商品先物取引協会の統計情報より当社調べ(2014年1月~2022年12月)。
まとめ
CFDは、全世界のさまざまな銘柄に投資できるのが魅力です。レバレッジを活用して効率的に投資できる点や、下落相場でも利益を狙えるなど、多くのメリットがあります。CFD取引は勝てないと言われることもありますが、リスクやデメリットを意識することで対策できるものが多いので、心配し過ぎる必要はありません。
CFD取引に興味を持った方は、多くのお客様から選ばれており、手数料無料で取引できるGMOクリック証券の利用を検討してみてください。
- 最短30分で取引開始!
- 口座開設無料