本記事ではNYダウ先物を参照原資産とするCFDの特徴や、NYダウ先物との違いなどを詳しく解説します。NYダウ先物のCFDを取引するメリットも紹介しているため、株価指数への投資をお考えの方はぜひ参考にしてください。
CFDとは?
CFDとは「Contract for Difference」の略語で、差金決済取引と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)の一種です。
CFDではその名の通り、取引開始時と終了時の差額のみをやり取りします。そのため、一般的な株式投資のように現物(有価証券)をやり取りすることはありません。売却金額と購入金額の差額だけを、つまり利益が出ていれば利益だけを、損失が出ていれば損失だけの受け渡しを行うのが特徴です。
そのため、取引の際には担保として「証拠金」と呼ばれるお金を証券会社の口座に預けることで、手持ち資金よりも大きな金額の取引が可能となります。
国内外に上場する株式や世界の主要な市場の株価指数・株価指数先物、債券先物等の価格、金や原油・天然ガスといった商品などが主な取引対象です。
CFDの口座が1つあれば、世界中の幅広い資産に投資できるようになります。
NYダウ、米国30とは?
「NYダウ」は米国の代表的な株価指数の1つで、正式名称は「ダウ工業株30種平均」です。ダウ平均株価と呼ばれることもあります。最も長い歴史を誇る株価指数であり、構成銘柄は時代に合わせて常に入れ替えが行われているのも特徴です。
構成銘柄は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)に上場する銘柄の中から、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が30社を厳選しています。企業の知名度や成長性を踏まえて選定されており、現在ではアップルやマクドナルド、ナイキなど、幅広い業種が含まれています。
GMOクリック証券の「米国30」は、アメリカのCME(Chicago Mercantile Exchange:シカゴ・マーカンタイル取引所)に上場されている「ダウ先物ミニ(E-mini Dow($5) Futures)」が参照原資産となっているCFDです。ダウ先物ミニはNYダウの先物で、CMEの電子取引システムGlobexで取引されています。
つまり、米国30に投資すれば実質的にNYダウに投資するのとほぼ同じことになるのです。
米国30とNYダウ先物との違い
NYダウを参照原資産とする点で共通している米国30とNYダウ先物。
以下では、米国30とNYダウ先物との違いをレバレッジ倍率・裁定取引金額・取引時間・取引期限の観点から解説します。
レバレッジ倍率
米国30とNYダウ先物の違いの1つは、レバレッジ倍率にあります。
レバレッジとはてこの原理を意味する言葉で、投資においては元手の何倍もの資金を動かせる仕組みのことです。米国30とNYダウ先物は共にレバレッジをかけた取引が可能です。
米国30は最大レバレッジ10倍、NYダウ先物のレバレッジは最大約23倍と違いがあります。100万円の資金が用意できる場合、米国30なら最大1,000万円、NYダウ先物なら最大2,300万円分の取引が可能です。よりレバレッジを効かせた取引をするのであれば、NYダウ先物の方が優れているといえるでしょう。
ただし、レバレッジをかけすぎると大きな利益を狙える反面、少し相場が変化しただけで大きな損失を被るリスクも出てきます。そのため、高いレバレッジで取引できることが一概にプラスになるとはいえません。
最低取引金額
最低取引金額についても、米国30とNYダウ先物で違いがあります。
米国30では、価格の10分の1から取引でき、レバレッジは10倍までかけることができます。
例えば、CFD価格を30,000ドル(1ドル=130円)とした場合には、39,000円程度の資金があれば取引可能です。
一方で、NYダウ先物の場合、取引単位は「NYダウ×100円倍」、レバレッジは約23倍となります。例えば30,000ドルとした場合、最低でも13万円程度の資金が必要となります。
このように米国30のほうが少額から取引できるので、初心者にとって取引しやすいかもしれません。
取引時間
米国30とNYダウ先物は取引時間にも違いがあります。
GMOクリック証券の米国30の取引時間は、平日8時から翌朝6時59分(米国夏時間は平日7時から翌朝5時59分)までです。一方、NYダウ先物は、8時45分~15時15分、16時30分~翌朝6時まで取引が可能となっています。
どちらも一般的な株式投資とは異なり平日9時前や15時以降の取引もできるため、日中忙しく取引の時間が作りにくい人でも取り組みやすいでしょう。また、米国の主要な経済指標が発表される21時30分〜23時頃など、値動きが大きくなるタイミングでの取引も可能です。
ただし米国30の方がより長時間取引できるため、取引のタイミングを逃しにくいといえるかもしれません。
限月(決済期限)
米国30とNYダウ先物は、決済期限の有無にも違いがあることをおぼえておきましょう。
NYダウ先物は、取引できる期限(限月)が決まっており、限月までに必ず決済をしなければなりません。仮に予測と反対方向に価格が動いており、損失を抱えている状況でも決済しなければならないのです。
一方、米国30には決済期限がありません。そのため、相場の状況に合わせて反対売買を行えます。相場状況が悪いときには、いったん相場が好転するまで待ってから決済することも可能です。
比較的自由に売買できる点で、米国30は初心者でも取り組みやすいといえるでしょう。
※米国30は価格調整額の受け払いがします。
米国30を取引するメリット
取引の自由度の高さや、少額から取引できる点などが米国30を取引する主なメリットです。以下で詳しく解説します。
売りからでも取引できる
米国30は「売り」から取引を始められるのもメリットの1つです。
CFDは現物ではなく、あくまで注文時と決済時の差額のみをやり取りする取引です。そのため、買い戻しを約束する代わりに先に売ることもできるようになっています。
株式投資の場合は、基本的に値上がりが期待できるタイミングでしか利益が狙えません。しかし、米国30なら米国経済が不調なときには売りからはじめて利益を狙える可能性もあるのです。
取引の機会が多くなれば、その分利益を積み重ねやすくなるかもしれません。
分散効果が得られる
米国30はNYダウ先物の「ダウ先物ミニ」を参照原資産としている商品です。米国30に投資するだけで、米国の主要企業30社へ同時に投資することとほぼ同じ効果を得られます。
複数銘柄に投資する場合、1つの銘柄が値下がりしても他の銘柄の値上がり分でカバーできるため、結果として価格変動リスクを抑えることにつながるのがメリットです。
基本的に投資対象が1つに絞られている商品CFDや株式CFDに比べると、米国30は分散投資の効果を得やすいといえるでしょう。
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米国30のCFDを取引するなら「GMOクリック証券」での口座開設を検討してみてください。
GMOクリック証券ではCFDの取引手数料が無料。米国30については最大でレバレッジ10倍での取引が可能です。無料でデモ取引も利用できるため、トレードの練習をしてから実際の取引に進めます。
さらにGMOクリック証券はCFDの取扱銘柄が充実しているのも特徴です。米国30や日本225などの株価指数だけではなく、原油や金などの商品、ETF、REIT、米国株など、幅広い選択肢の中から投資対象を選べるため、初心者から上級者まで多くのユーザーに利用されています。
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まとめ
米国30のCFDとは、米国株式市場の代表的な株価指数NYダウの先物を参照原資産とするCFDのことです。レバレッジを効かせた取引ができるほか、取引時間が長いこと、売りからスタートできることなどが特徴です。決済期限がないので、先物と比べて比較的自由度の高い取引ができます。分散投資の効果を得やすく少額で始められるため、初心者でも比較的リスクを抑えて投資できる点も魅力です。
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