CFD取引で利益が出ると税金がかかりますが、源泉徴収されないことからご自身で確定申告が必要です。本記事では、個人がCFD取引で利益を出した際にかかる税金や、確定申告が必要になる方の要件、および節税方法・税金対策について解説しています。
CFDとは?
CFDとは、「Contract for Difference」の頭文字を取ったもので、差金決済デリバティブ取引の一種です。代表的なCFDの取引対象として、金、原油などの商品、国内外の上場株式や、世界の主要な株価指数・株価指数先物、債券の価格などがあります。
差金決済とは、有価証券などの現物のやり取りをすることなく、反対売買によって生じた損益(差金)のみを授受する決済方法のことです。
またデリバティブとは日本語で「金融派生商品」のことを指し、通貨・金利・債券・株式といった原資産の価格を基準に価格が決まる金融商品のことを指します。デリバティブは投資における価格変動リスクの回避などを目的とした金融商品で、主に「先物取引」「オプション取引」「スワップ取引」の3種類があります。
CFD取引の利益にかかる個人の税金
CFD取引による利益は、申告分離課税の対象です。税率は所得税15%と住民税5%に加え、2037年12月31日までは復興特別所得税0.315%が課税されるため、合計で20.315%となります。
CFD取引で税金が発生するタイミング
CFD取引で税金が発生するタイミングは、決済後、受け渡しが完了した時点となります。
ポジションを持っていて、含み益が出ているだけでは税金は発生しません。また含み益が出ているポジションを決済しても、決済時点では税金はまだ発生しません。
例えば2022年12月末に決済をして利益が発生したとしても、受け渡しが2023年度であれば、この利益に課税されるのは2023年度です。
CFD取引でいくら利益が出ると確定申告が必要?
CFD取引によって生じた利益(金利調整額、価格調整額、権利調整額を含む)が年間20万円を超えた場合、雑所得として申告分離課税の対象となります。申告分離課税とは、事業所得や給与所得といった他の所得と合算せず、確定申告で納税する課税方法です。
したがって仮にCFD取引で赤字が出た場合でも、他の所得と損益通算ができません。
ただし他の「先物取引に係る雑所得等」の損益があるときは損益通算が可能です。代表的なものとしては、国内上場の先物取引や、FX、国内上場のオプション取引等があります。
なお、自営業の方や給与所得が2,000万円以上の方はCFD取引の利益の有無に関わらず確定申告が必要になります。また、扶養家族に入っている専業主婦・学生であれば、CFD取引の所得が基礎控除額48万円を下回る場合は、確定申告の必要はありません。このように雇用形態や働き方など個々の状況によって異なるため、最終的な確定申告の要否については、最寄りの税務署や税理士に必ず確認しましょう。
確定申告は翌年2月16日~3月15日の期間中に行います。例えば2023年度1月1日~12月31日に生じた所得であれば、2024年2月16日~3月15日の間に確定申告をします。
- 申告書(一表、二表、三表)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)
- CFD取引報告書
- 源泉徴収票(給与所得者・公的年金受給者の場合)
- マイナンバーカード、あるいはマイナンバーがわかる書類
- 利用者識別番号(e-Taxでマイナンバーを使わない場合)
確定申告をしない場合どうなる?
確定申告をしなかった場合、無申告加算税が課されます。また法定納期限の翌日から納税する日までの延滞税も加えて納付が必要です。
確定申告をしなかったり、期限を過ぎたりすると本来支払う税金よりも負担が大きくなるため、要否を確認して、必要な場合は必ず期限内に確定申告を済ませましょう。
CFD取引の節税方法・税金対策
CFD取引の利益が出ても、課税所得を抑えることで節税ができる場合があります。CFD取引をするうえで知っておくべき節税方法や税金対策は主に以下の3つです。
- 損益通算する
- 損失の繰越控除をする
- 保有ポジションを整理して損失を確定させる
各項目について詳しく解説します。
損益通算する
CFD取引の損益は、他の「先物取引に係る雑所得等」であれば損益通算が可能です。
仮にCFD取引でA商品の利益が50万円出た場合、50万円に対して20.315%の税金がかかります。しかし同じくCFD取引でB商品の損失が5万円あった場合、A商品の利益50万円からB商品の損失5万円を差し引いた45万円に課税されることになります。
また同じくCFD取引でA商品の利益が50万円出ていて、FX取引で20万円の損失が出ていた場合もA商品の利益50万円からFX取引の損失20万円を差し引けるため30万円が課税対象となります。
これはCFD取引、FX取引いずれの損益も「先物取引に係る雑所得等」にあたるためです。
仮にA商品の利益が50万円で、不動産投資の損失が年間20万円あったような場合、不動産投資の収益は「先物取引に係る雑所得等」には当たらないため、損益通算はできません。
損失の繰越控除を利用する
CFD取引で損失が出て、本年分の収益と損益通算しても損失を控除しきれない場合、翌年以降3年にわたって損失が繰り越せます。これを損失の繰越控除と言います。
例えばCFD取引をしてA商品で200万円の損失、B商品で30万円の利益が出た場合、損益通算をしてもまだ控除しきれない損失が当年は170万円分残ります。
仮に翌年、CFD取引で30万円の利益が出た場合、損失の繰越控除により170万円の損失と相殺できるため、30万円の利益には税金がかからず、さらに控除しきれていない損失はまだ140万円残っています。
また2年後に30万円の利益が出れば、140万円の損失と相殺されて110万円の損失が残り、3年後50万円の利益が出れば控除しきれず残っている110万円の損失と相殺されます。
このケースでは結果的に200万円の損失が出た年以降、CFD取引で140万円の利益が出ていますが、損失の繰越控除を利用することで結果的に140万円の利益に対して税金がかかりませんでした。
このように損失の繰越控除は、課税対象となる利益額を減らせるため節税効果があります。
保有ポジションを整理して損失を確定させる
当年のCFD取引の利益が50万円あった場合、50万円が課税対象になってしまいます。しかしその他に含み損を抱えているポジションがある場合、ポジションを決済して損失確定させることで利益と相殺させ、結果的に課税対象となる金額を抑えられます。含み損とは未決済のため損失が確定していない損失のことです。
仮に20万円の含み損を抱えているポジションを決済した場合、50万円の利益と20万円の損失を損益通算して、課税対象となる金額を30万円に抑えられます。
またFX取引や、その他の「先物取引に係る雑所得等」に該当する損失が出ている場合も、含み損を決済することで、課税対象となる金額を抑えられます。
CFD取引は取扱銘柄が充実の「GMOクリック証券」の利用を検討しよう
CFD取引は「GMOクリック証券」の利用をご検討ください。日本225、米国30等の株価指数や、金・原油といった商品、外国株式など取扱銘柄が充実しています。また数多くのCFD取引ツールを用意しており、どこにいても取引がしたい方にはスマホアプリ、じっくり分析をして取引したい方には高度な分析ができるツールなど、初級者から上級者まで自身の取引スタイルやライフスタイルに合わせた取引ツールが利用可能です。
まとめ
CFD取引で利益が出た場合、利益に対して20.315%の税金がかかります。CFD取引の税金は申告分離課税で源泉徴収されないため、確定申告で納税をする必要があります。
一般的な会社員の場合、CFD取引によって生じた利益が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要となりますが、個々の状況によって確定申告が必要になる条件は異なるため、最寄りの税務署や税理士に確認するようにしましょう。
またCFD取引では「先物取引に係る雑所得等」に該当するものであれば損益通算や損失の繰越控除などの方法で、節税や税金対策が行える場合があります。
CFD取引を始める前に、関連する税金の知識をしっかり身に付けておきましょう。そしてCFD取引をする方は、取扱銘柄が充実した証券会社「GMOクリック証券」の利用をご検討ください。
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