コモディティとは「商品」を意味し、金や銀、エネルギーや農産物などが挙げられ、投資対象は非常に幅広いものになります。コモディティ投資とは、商品自体や関連した先物、オプション等を取引することを指します。取引される商品の対象は世界中に存在し、価格の動向は世界中の需要と供給によって日々変化します。本記事では、コモディティ投資の特徴やメリットのほか、実際にコモディティ投資をする方法について紹介します。
コモディティ投資とは
コモディティ投資とは商品への投資を意味し、その対象は多種多様ですが、金や銀、プラチナといった貴金属、原油や天然ガスなどのエネルギー、大豆や小麦、コーンなどの農作物が人気の投資銘柄として挙げることができます。コモディティへの投資手段は複数あり、直物市場での直接的な取引や先物の取引、CFD(差金決済取引)、コモディティで運用する投資信託への投資などが挙げられます。現物投資は、金等の貴金属を実際に購入するケースが一般的ですが、実際に世界中で行われているコモディティ投資の大半が現物の受け渡しを伴わない投資方法(差金決済)になります。
コモディティ投資の特徴
コモディティ投資の特徴としては、不景気に強く、金利動向にも強いなどの特徴がありますが、まずはインフレに強いという点が強みになります。また、リスク資産を多く保有していた場合でも、有事の際に強い金などを保有することで、分散投資としても魅力がある点もメリットになります。
インフレに強い
コモディティは実態を伴う実物資産であるため、インフレで物価が上昇するとコモディティの価格も上昇し、資産価値も高くなります。その反面、インフレ進行により物価の水準が上がると、単純に金銭価値が低下するため、お金の価値が下がります。つまり、資産が現金のみの状況でインフレが進行すると貨幣の価値が低下する影響を受け、資産が目減りすることとなりますが、コモディティはインフレ時に価値が上昇するため、インフレに強いと考えられています。
分散効果を得られやすい
貨幣価値とは対照的にインフレ時に価値が上昇するコモディティは、保有資産の一部に組み込むことで貨幣価値低下による現金資産の目減りを抑える効果が期待できます。実物資産であるコモディティの価格は、需給のバランスのほか、取引する際に用いられる通貨のレート、生産量で判断されるため、農作物であれば供給に大きく影響する天候も価格変動要因になります。このようにコモディティの価格は複数の影響を受け、株式や債券とは異なる値動きをすることが多いため、保有する資産に含めることで分散投資の効果を得ることができ、資産が目減りするリスクを分散できます。
価格変動の要因が分かりにくい
前項でも触れましたが、コモディティ価格は変動する要因が複数存在し、それぞれ商品ごとの特徴によっても異なります。コモディティ投資のデメリットとしては、変動要因の特徴が分かりづらい点です。実物資産であるため、在庫保管のコスト、需要や供給などのほかにも災害や季節性の問題も挙げられます。農産物では、雨の日が多く、日照時間が短い場合は農作物の収穫が遅くなったり収穫量が減ったりすることで相場に影響を与えるため、価格変動要因が多岐にわたる点がデメリットとなります。
コモディティに投資する方法
コモディティに投資する方法は大きく分類すると、4種類に分けられます。次項では、以下の投資方法を解説します。
・CFD
・現物取引
・商品先物
・投資信託/ETF
CFD
CFDは「 Contract for Difference 」の略で、差金決済取引とも呼ばれ、現物取引とは異なり、対象となる原資産の受渡しを行わず、差金決済によって生じた損益のみをやり取りします。コモディティCFDの取引価格は参照原資産となる現物又は先物の実際の取引所での取引価格を基に業者が価格を生成して配信する仕組みであることが多く、ほぼ同じ値動きをします。GMOクリック証券では、コモディティを対象とした商品CFDが取引可能で、WTI原油先物を参照原資産としたWTI原油や銅先物、金スポット、銀スポット、天然ガス等、幅広いコモディティ銘柄に投資することができます。
現物取引
現物取引は、文字通り物理的に商品の交換を行う取引を指し、商品そのものが売買されます。実物の受渡しが伴うため、天然ガスや原油といったエネルギー、コーンや大豆などの農作物は広大な保管施設が必要となります。
そのため個人で取引可能な投資対象は基本的に貴金属がメインとなります。
商品先物
商品先物取引とは特定の商品を将来のある一定の日付において、一定の数量を一定の価格で売買する契約を現時点で決定する取引を指します。多くの場合、商品CFDの参照原資産となるのは、商品先物です。投資目的で取引されるだけでなく、現物取引と並行して現物取引と反対の先物と取引を行うことで将来起こり得る価格変動リスクを抑えることを目的に取引されることも多く、ヘッジ取引として取引されることがあります。また、CFDと同様に限月があるなどの特徴があります。
投資信託・ETF
投資信託やETFを通じてのコモディティ取引も可能です。コモディティ関連の投資信託やETFは、ファンドが多数の投資家から資金を集め、専門家がコモディティに投資をして運用します。投資のプロがコモディティに投資する仕組みであるため、価格変動要因が多く複雑なコモディティ投資の中でも比較的初心者の方にお勧めと言えます。また、投資信託やETFは株式を売買する証券口座で取引ができる点においてもハードルが低くなっています。
CFDでコモディティ投資をするメリット
CFDでコモディティを投資するメリットとしては、まずは資金効率の高さが挙げられます。また、投資信託などは時間的に融通が利きづらいこともありますが、CFDだとほぼ24時間取引できる点などがメリットになります。
最大20倍のレバレッジを利用できる
商品CFDでコモディティに投資する場合、何よりもレバレッジをかけて取引できる点が魅力です。レバレッジ(leverage)とは、小さい力で大きい物を動かすことができる「てこの原理」になぞらえ、レバレッジをかけて取引をすると実際の自己資金よりも大きい金額で取引できることを指します。FX会社によって異なる場合もありますが、商品CFDは最大で20倍のレバレッジをかけて取引することができます。レバレッジをかけて取引をすることで、投資効率が高くなりますが、損失が出た際にはその幅も大きくなる点には注意が必要です。
ほぼ24時間いつでも取引できる
商品CFDの銘柄にもよりますが、ほぼ24時間取引できる点も魅力です。コモディティに投資する手段の一つに投資信託がありますが、国内の投資信託銘柄でない場合、約定日が翌営業日以降となる場合あります。CFDは取引時間内で取引することで約定に時間を要しないため、取引の柔軟性やスピード性は高いと言えるでしょう。
下落相場でも利益を狙える
CFD取引は買いと売りの両方から新規でポジションを持つことができます。そのため、上昇相場だけでなく下落相場でも利益を狙うことができます。コモディティ投資の中でも投資信託やETFを通じて取引する場合は、価格が上昇しないと利益を得ることができませんが、商品CFDであれば、下落局面であっても利益を得る機会を得ることができます。
CFDでコモディティ投資をする際の注意点
コモディティ銘柄をCFDで取引する際には、非常に大きなメリットがありますが、デメリットも少なからず存在します。次章では、幾つかのデメリットの部分を解説します。
ロスカットされる可能性がある
CFDでコモディティ投資をする場合は、ロスカットの仕組みを考慮しておく必要があります。ロスカットとは、取引に必要な証拠金の維持率が一定の水準を下回った時に損失拡大を防ぐことを目的として、保有しているポジションが自動的に決済される仕組みです。GMOクリック証券のCFD取引は、証拠金維持率が50%を割り込むとロスカットが執行されます。ロスカットを防ぐためには、証拠金を多めに入金して取引することや取引数量を抑えて取引すること等が挙げられます。自身の意思と無関係に保有しているポジションを失うと利益を得ることができなくなりますので、保有しているポジションに対する証拠金の状況は注意してモニタリングする必要があります。レバレッジを活用する金融商品全般に言えることですが、このロスカットになるリスクがありますので、リスク管理は徹底する必要があります。
調整額が発生する
CFD取引で保有したポジションには参照する原資産により、複数の調整額が発生します。GMOクリック証券の商品CFDでは、金スポットと銀スポット取引には金利調整額が発生し、それ以外の商品CFDは価格調整額が発生します。金利調整額はカバー取引を行う際の金利負担に基づいて発生し、取引時間終了後にポジションを持ち越すと受け払いが発生します。
価格調整額は、価格の異なる限月の交代により発生する評価損益を調整するために発生する調整額です。
価格が期近<期先の場合、買建玉は保有ポジションの値洗いがプラスになるため、マイナスの「価格調整額」でバランスをとり、売建玉は保有ポジションの値洗いがマイナスとなるため「価格調整額」でプラス分を付与することで調整を行います。つまり、限月切り替えのコストを気にせずポジションを保有できます。
どのタイミングで何の調整額が発生するかを念頭に置き、ポジションを管理するようにしましょう。
取引上限が設けられている
CFD取引には、業者により取引上限が定められています。建玉枚数や円換算した時の建玉金額、新規取引金額等に上限が設定され、参照原資産によって金額や枚数が異なるケースも想定されますので、取引ルールをしっかり確認するようにしましょう。大きな数量で取引を考えている方は、取引上限枚数を気にするようにしましょう。
まとめ
本記事では、コモディティ投資に焦点を当て、特徴や投資方法を解説しました。株式や債券とは異なる値動きをする特徴から、分散投資の対象やインフレによって資産が目減りするリスクのヘッジ手段としての投資がよく知られていますが、その他にも先物や投資信託、CFDなど投資方法は複数存在します。自身の投資目的やリスクの許容度等に合った投資手法を選択しましょう。GMOクリック証券では、コモディティ銘柄のCFDもあるため、興味のある方はぜひ活用ください。
コモディティ投資をするなら「GMOクリック証券」のCFDを検討しよう
GMOクリック証券の商品CFDはエネルギー、貴金属、農作物で幅広いコモディティに投資できるラインナップを取り揃えており、多様な取引ニーズにお応えすることが可能です。また、取引手数料は無料かつ業界最低水準のスプレッドでお取引いただけます。さらにパソコンとスマートフォンそれぞれで高機能ツールをご利用いただけます。コモディティへの投資をお考えの方は是非、GMOクリック証券のCFD取引をご検討ください。
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