FXのフィボナッチリトレースメントとは?線の引き方や使い方、注意事項を解説

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FXのフィボナッチリトレースメントとは?線の引き方や使い方、注意事項を解説

フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列を発展させたものであり、FXにおけるテクニカル分析では、フィボナッチ数列からなる黄金比率の考えを分析に活用します。「リトレースメント」が意味するのは「引き戻し」や「後戻り」です。つまり、数学的な分析で押し目買いや戻り売りポイントを探る分析手法がフィボナッチリトレースメントになります。
本記事では、フィボナッチリトレースメントの概要と線の引き方や使い方、注意事項について解説します。一般的なテクニカル指標とはカテゴリーの違う分析手法ですが、非常に有名な手法であるため、是非今後の取引手法に取り入れていただきたいテクニカル指標です。

FXのフィボナッチリトレースメントとは?

FXのフィボナッチリトレースメントとは?

FXでは相場分析としてさまざまなテクニカル指標が使われますが、その中でもフィボナッチリトレースメントはよく使われる手法のひとつです。フィボナッチ比率を用いて、トレンド相場における押し目や戻り目などの反発・反落のポイントを分析する手法のため、オシレーター特有の買われ過ぎ、売られ過ぎというような判断でなく、トレンドを見極めながら上昇トレンドにおける一時的な下落である「押し目」、下降トレンドにおける一時的な上昇である「戻り目」を探る手法です。
トレンド相場であっても、価格は直線的に上昇や下落を続けることはなく、押し目や戻り目を作って波のように変動しながらトレンドを作っていくのが常です。この押し目や戻り目の転換点がどこにあるのか分析するのに、フィボナッチリトレースメントが使われます。

フィボナッチリトレースメントで重視すべき割合

フィボナッチ比率とは、中世イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが名付けたフィボナッチ数列の考えをもとに比率化したものであり、このフィボナッチ比率の中には、重視すべき比率がいくつかあります。重要な比率は「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%」、この中でも特に重要なのが、「23.6%、38.2%、61.8%」と言われています。過去の高値/安値の値動きに対して、ある一定の変動幅になった時に「押し目」や「戻り目」の転換点が出現すると考えられており、その「押し目」や「戻り目」の転換点となる可能性が高い変動幅が、「23.6%、38.2%、61.8%」というわけです。
フィボナッチ数列のそれぞれの数を、1つ後ろの数字で割ってみると、次のように途中から「0.618」という数値が並びます。同様に2つ後ろの数字で割ると、途中から「0.382」となり、3つ後ろの数字で割ると途中から「0.236」といった数値を導き出すことができます。さらに、フィボナッチ数列のそれぞれの数を、1つ前の数字で割ると、答えは途中から「0.618」となるのです。これらを一般的にフィボナッチ比率と呼び、パーセント換算したものが「23.6%、38.2%、61.8%」になります。

例)
1÷1=1
1÷2=0.5
2÷3=0.67
3÷5=0.6
5÷8=0.625
8÷13=0.615
13÷21=0.619
21÷34=0.618
34÷55=0.618
55÷89=0.618

FXのフィボナッチリトレースメントの引き方

フィボナッチリトレースメントの引き方は、現在のトレンドが上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかによって異なります。GMOクリック証券が提供している「プラチナチャート」もそうですが、FX会社が提供しているチャートツールは非常に優秀であり、フィボナッチリトレースメントの設定も非常に簡単に行うことができます。次章では、上昇トレンドの場合のフィボナッチリトレースメントの引き方と下降トレンドの場合のフィボナッチリトレースメントの引き方を解説します。

上昇トレンドの場合

上昇トレンドの場合

上昇トレンドの場合は、始点の安値と直近の高値を結びます。始点の安値が100%、直近の高値が0%、この両点の間に、「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%」のラインを引きます。上昇トレンドの場合、特に、フィボナッチリトレースメントの「23.6%」「38.2%」「61.8%」が押し目の転換点となる可能性が高いと考えられます。つまり、「23.6%」「38.2%」「61.8%」のいずれかのライン付近で価格が再度上昇していく可能性が高いと判断します。GMOクリック証券の「プラチナチャート」では、始点の安値と直近の高値を結ぶと、自動的にラインが引かれるため非常に便利です。

下降トレンドの場合

下降トレンドの場合

下降トレンドの場合は、始点の高値と直近の安値を結びます。始点の高値が100%、直近の安値が0%、この両点の間に、「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%」のラインを引きます。下降トレンドの場合も上昇トレンドと同じく、特に、「23.6%」「38.2%」「61.8%」が戻り目の転換点となる可能性が高いと判断します。下降トレンドの場合でも、自動的にラインが引かれますので、まだ口座をお持ちでない場合はGMOクリック証券のデモ口座にて「プラチナチャート」を体験ください。

FXにおけるフィボナッチリトレースメントの使い方

FXにおけるフィボナッチリトレースメントの使い方

フィボナッチリトレースメントの使い方としては、押し目、戻り目の把握です。応用編として、フィボナッチリトレースメントでは、相場反転時の下落または上昇の目安を知るという手法があります。エントリーポイントの目安と決済タイミングの目安を一気に把握できる点では、非常に優秀なテクニカル指標と考えられます。

相場反転時の下落または上昇の目安を知る

GMOクリック証券が提供するプラチナチャートでは、「0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%」といったフィボナッチ比率に基づいたラインが引かれます。そのラインの中でも、23.6%、38.2%、61.8%のラインが特に重要で、「下値支持線(サポートライン)」や「上値抵抗線(レジスタンスライン)」になりやすいと言われています。一例を挙げると、23.6%のラインを押し目買いのポイントと設定し、76.4%のラインで決済を行う目安として考えるという考えができます。一目均衡表のように雲の下限で買い、雲の上限で売りのような新規/決済をどちらも視覚的に見ることのできるテクニカル指標はありますが、フィボナッチリトレースメントも同様の考えが可能です。

押し目や戻り目でトレンド方向に順張りする

フィボナッチを活用して、押し目や戻り目の目安を確認したら、実際に価格がフィボナッチ比率のラインで反発するかに注目します。押し目のケースだと、下落途中で買いポジションをとるような動きだと、逆張りの買いという形になりますが、フィボナッチリトレースメントを活用する際は、23.6%、38.2%、61.8%のラインなどで下げ止まるのを確認、反発後に順張りでの取引を行うことが効果的です。上昇トレンドで押し目を作っている際は、下落の勢いが弱くなり停滞していると反発して再び上昇して行くケースが多いため、フィボナッチ比率のラインで価格が停滞している場合は、トレンドに合わせて順張りエントリーします(上昇トレンドの場合は買い、下降トレンドの場合は売り)。

フィボナッチ比率のラインを突破した場合は損切りをする

理論的には押し目買いの水準まで待っての押し目買い、戻り売り水準まで待っての戻り売りが理想的ですが、上昇トレンドが継続している場合は買い、下降トレンドが継続している場合は売りのエントリーを行ってしまい、同水準が天井、天底だったということも考えられます。その場合、フィボナッチリトレースメントを引いて、「23.6%」「38.2%」「61.8%」などのラインで価格の下落(上昇)が止まらない場合はトレンド転換としてさらなる下落(上昇)が待っているケースが考えられます。あくまでフィボナッチ比率を念頭に置いた取引になるため、その際は含み損の保有ポジションを損切りする判断をしましょう。

FXでフィボナッチリトレースメントを使う際の注意点

FXでフィボナッチリトレースメントを使う際の注意点

フィボナッチリトレースメントは、あくまでトレンドに沿った取引を行う手法であるため、突発的な事象、例えば経済指標などのイベントには対応できない可能性があります。また、ダマシが発生するという点も考慮しなければなりません。テクニカル分析は、過去の価格推移から将来の値動きを考慮する手法ですが、全てがその通りになることはないため、ダマシが発生したときはどれだけ迅速に損切りを行えるかが重要です。

ダマシが発生する可能性がある

フィボナッチリトレースメントに限らず、テクニカル指標を使った分析は、絶対的に正しいわけではありません。過去の価格推移から導き出す手法では、ある程度は再現性があるが、すべてがセオリー通りに価格が推移するとは限らない点は覚えておきましょう。例えば、5分足のチャートでは61.8%のラインを下回っていても1時間足ではヒゲを作り、反発していくケースもあります。信頼の高いテクニカル指標でも、絶対的なものではないということは覚えておきましょう。

複数のテクニカル分析手法を使う

ダマシをどれだけ回避できるかが重要ですが、やはり複数のテクニカル分析手法を照らし合わせることが重要です。フィボナッチ分析はトレンド型であるため、同じトレンド型のテクニカル指標と答え合わせするといいでしょう。例えば、フィボナッチリトレースメントでは23.6%の押し目買いのポイントで反発傾向が見られる時に、移動平均線がゴールデンクロスをしている時などは信憑性の高い買いサインであると判断できます。

突発的な事象に対応できない

トレンド型のテクニカル指標は、経済指標のような突発的な動きには対応しにくいという側面があります。経済指標の他にも、突発的なニュースや報道などでの急激な値動きがあった場合なども、対応が後手になります。相場分析方法には、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析があり、突発的事項に対応するためには、テクニカル分析をするとともに、ファンダメンタルズ分析を理解することが大切です。経済指標の状況であったり、地政学リスクがないかどうかなどの状況判断も長く相場に付き合っていくには重要です。

まとめ

フィボナッチリトレースメントは、上昇トレンドの押し目、下降トレンドの戻り目の転換点を分析するテクニカル指標です。この分析に使われているフィボナッチ比率は、主に「23.6%、38.2%、61.8%」であり、押し目買い、戻り売りのポイントとして考えます。また、フィボナッチリトレースメントは、あくまでフィボナッチ比率を念頭に置いた取引になるため、その際は含み損の保有ポジションを損切りする判断をしましょう。また、フィボナッチリトレースメントを使ったテクニカル分析は、いつも正しいということはないので、複数のテクニカル指標・分析手法を併用することで信憑性が高まります。GMOクリック証券のFXネオは、フィボナッチリトレースメントをはじめ、高性能で使いやすい分析ツールを提供しています。チャート分析をしたい、高性能なチャートツールを利用したい方は、FXネオの利用を検討ください。

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