FX取引を行う場合、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を売買判断として活用する方が多いのではないでしょうか。今回案内する「平均足」は、トレンドの流れを視覚的に把握することに特化したチャート分析方法になります。
普段見ているローソク足とは算出方法が違うため、ローソク足通りの見方は行いませんが、平均足の特徴としては、上昇基調が強いと陽線が連続し、下落基調が強いと陰線が連続し表示されますので、一目でトレンドの流れを把握できるので、スキャルピングなどの短期売買よりはデイトレード向きの売買判断に役立つ分析手法です。本記事では、平均足の見方や活用方法、ローソク足との違いを解説します。
FXの平均足とはトレンドを分析するためのチャート
ローソク足は、実際の始値、安値、高値、終値の4つのポイントを表示するものであり、リアルタイムの情報を把握することに適しています。平均足は、ローソク足では陽線、陰線が入り乱れるような値動きでも、連続して陽線、陰線が出るようになるので、トレンドが非常に把握しやすいという特徴があります。ローソク足はリアルタイム情報の把握、平均足はトレンド情報の把握と覚えておくとよいでしょう。
FXの平均足とローソク足の違い
平均足とローソク足の一番の違いは、トレンドの流れを把握しやすいかどうかです。寧ろ、平均足はトレンドを確認するために活用する分析方法と考えた方がいいかもしれません。トレンドが継続しているかどうかを確認する判断方法のため、初心者の方でもわかりやすい分析方法です。
FXの平均足の見方
平均足の見方としては、陽線である場合はどのような状態なのか、陰線の場合はどのような状態なのかを把握する必要があります。また、ローソク足でも上ヒゲ、下ヒゲが重要視されますが、平均足でもローソク足以上にヒゲの見方を大事にします。
陽線と陰線を見る
最もシンプルな見方として、陽線は始値が終値よりも低い足で「上昇した」状態を示し、陰線は始値が終値よりも高い足で「下落した」状態を示します。陽線が連続しているときは上昇トレンドが強く、陰線が連続しているときは下降トレンドと考えます。
陽線が連続して出現している場合は、上昇基調の継続を示唆しており、陰線が連続して出現している場合は、下落基調の継続を示唆しています。ローソク足と平均足では、算出方法に違いがあるため、平均足の方が連続して陽線、陰線が連続して出現しやすい足種になります。
ヒゲを見る
高値圏で上ひげの長い陽線が連続している場合、売り圧力が強く下降トレンドに転換する可能性があると考えられ、安値圏で陽線に長い下ひげが出た場合は、売り圧力より買いの勢いが強まっていると考えます。
また、高値圏で下ひげの長い陰線が連続している場合、下降トレンドへ転換する可能性が考えられ、安値圏で下ひげの長い陰線が出た場合、上昇トレンドへの転換が考えられます。
FXの平均足の使い方
平均足の使い方としては、陽線の連続、陰線の連続が継続して出現している状態のトレンド把握が有効な使い方になります。また、ヒゲも重要になり、陽線の平均足に下ヒゲがでれば売り転換、陰線の平均足に上ヒゲが出れば買い転換と、トレンド把握を行う上では非常にシンプルです。また、平均足はローソク足よりも連続して陽線、陰線が出やすいのかも重要になりますので、算出方法と合わせて解説します。
陽線の連続は上昇トレンド、陰線の連続は下落トレンドを予想
平均足では上昇局面で上ヒゲのある陽線が続く傾向にあり、強い上昇トレンドを示し、今後も上昇トレンドが継続することを示唆します。また、下ヒゲの長い陰線が連続した場合は下落トレンドであり、下落を警戒する必要があり、下落トレンドの継続も同様に示唆するものになります。
陽線の平均足に下ヒゲが出たら売り転換を予想
下ヒゲのある陽線が現れた場合、上昇圧力が弱まっていることを示します。同シチュエーションでは、相場が下降へ転換する予兆とも言えるため、トレンドの転換に警戒する必要があります。
陰線の平均足に上ヒゲが出たら買い転換を予想
上ヒゲのある陰線が現れた場合、下降圧力が弱まっていることを示します。同シチュエーションでは、相場が上昇へ転換する予兆とも言えるため、トレンドの転換に警戒する必要があります。
また、陽線、陰線の算出方法としては、ローソク足は、始値・高値・安値・終値といった4本値を1本の足で表示したものです。日足の場合は、前日の終値が米ドル/円が150円であれば翌営業日の始値は150円から始まります。つまり、ローソク足は単純に始値が終値よりも安い場合は陽線、始値が終値よりも高い場合は陰線が表示されます。
平均足では、1つ前の期間の始値と終値の平均値が始値となります。日足の場合、前日の始値が150円、終値が140円であれば、翌営業日の始値はその平均値の145円となります。
また、平均足の終値は、期間中の始値・高値・安値・終値の平均値が用いられます。「始値150円、安値149円、高値155円、終値150円」であった場合、平均足の終値は4つの価格の平均値の151円となります。
日足の平均足の場合、前日の始値と終値の平均値を活用するため、前日の中央値から当日の始値が始まります。このような算出方法であるため、平均値を活用することで値動きのブレが減少し、陽線や陰線が連続して出現しやすくなります。
FX取引で平均足を使うメリット
平均足は他のテクニカル指標のように買われすぎ、売られすぎ判断のように、明確な売買サインがでるわけではないですが、トレンドを把握することが非常に容易であるという点がメリットです。
トレンド把握が容易になる
平均足はシンプルで分かりやすく、容易にトレンドを把握することができます。先述の通り、陰線と陽線が連続して並ぶ平均足はローソク足よりトレンドを把握しやすい点が特徴です。
視覚的に分かりやすく分析できる
トレンドが継続していると同じ色の陽線と陰線が連続するため、シンプルかつわかりやすく分析ができます。また、視覚的にすぐにトレンドが把握できるという点もFX初心者向けと言えるでしょう。
FX取引で平均足を使うデメリット
平均足のデメリットとしては、ダマシとタイムラグです。平均足は、陽線と陰線が連続して出現することに意味があるので、陽線と陰線が混じるレンジ相場では活用しづらいというデメリットがあります。このようなレンジ相場ではダマシが出現するので、この点にも注意が必要です。
また、平均足の始値は「直前の平均足の始値と終値の平均値」を使用するため、リアルタイム性に欠けるため、最新情報ではなくタイムラグが発生している点には注意する必要があります。リアルタイム情報を重要視するのであれば、ローソク足を使用し、トレンド把握を重要視するのであれば平均足を活用しましょう。
まとめ
ローソク足と平均足では算出方法が違うため、リアルタイム情報を重要視する場合はローソク足を使い、トレンド把握を重要視する場合は平均足を活用しましょう。また、平均足は陽線、陰線、どちらかた連続して出現することに意味があるため、陽線、陰線が入り乱れるようなレンジ相場には向いていません。
平均足の見方としては、連続して出現する陽線、陰線以外に上ヒゲ、下ヒゲが重要になります。下ヒゲのある陽線が現れた場合、上昇圧力が弱まっていることを示します。同シチュエーションでは、相場が下降へ転換する予兆とも言えるため、トレンドの転換に警戒する必要があります。また、上ヒゲのある陰線が現れた場合、下降圧力が弱まっていることを示します。同シチュエーションでは、相場が上昇へ転換する予兆とも言えるため、トレンドの転換に警戒する必要があります
平均足のみで売買判断するのは難しいため、平均足はあくまでトレンド把握する分析方法と割り切り、「ボリンジャーバンド」「移動平均線」「MACD」などと併用して売買サインを判断しましょう。他の分析法と併用して複合的に分析すれば、平均足のデメリットを軽減して正確に売買のトレンドを把握し、損失を負うリスクが軽減できます。
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