FXには「スワップポイント(スワップ)」という通貨の売買以外にも利益を得る方法があります。
本記事では、スワップポイントの意味や仕組み、スワップポイントを狙うメリットや注意点について詳しく解説します。
FXを始めるにあたってスワップ収益も気になっている方、スワップポイントの仕組みを知りたい方などは、ぜひ参考にしてみてください。
FXのスワップとは?
FXには、トレードによる売買差益だけでなく、スワップポイント(スワップ)による利益も得ることができます。
スワップポイントとは「金利差調整分」とも呼ばれ、金利の高い通貨と金利の低い通貨の間で生じる金利差を指します。
2国間の通貨を売買するFX取引において、高金利の国の通貨を買って低金利の国の通貨を売った場合に、その金利差分をスワップとして受け取ることができます。
たとえば、米ドルの金利を5%、日本円の金利を1%とした場合、4%(5%-1%)の金利差が生じます。そこで米ドルを買って円を売る取引を行えば、4%分のスワップポイントを受け取ることができます。
このように通貨ペアの金利差が大きければ、その分スワップポイントも大きくなるため、スワップポイントを重視する際は、通貨ペアごとの金利差に注目するようにしましょう。
※2023年12月時点では、米ドルの金利は5.5%、日本円の金利は-0.1%となっているため、金利差は5.6%となります。
ここまで説明した通り、高金利通貨を買い建てる場合にはスワップポイントを受け取ることができますが、売り建てる場合には逆にスワップポイントを支払わなければいけないため、注意しましょう。
FXのスワップポイントが発生するタイミングは?
スワップポイントは、ポジションを翌日に持ち越した場合に発生します。
具体的には、ニューヨーク市場のクローズ(日本時間午前7時※)時点でポジションを保有していると発生する仕組みです。
※夏時間(サマータイム)が適用されている期間中、ニューヨーク市場のクローズ時間は日本時間午前6時となっています。
なお、スワップポイントが付与されるタイミングは、FX業者によって異なるので、事前に確認するようにしましょう。
FXでスワップ収益を狙うメリット
続いては、FX取引においてスワップ収益を狙う具体的なメリットについてわかりやすく解説します。
ポジションを保有しておくだけで受け取れる
高金利通貨の買いポジションを保有しておくだけでスワップ収益を得られるのが、スワップポイントのメリットです。
取引手法や相場の状況によっては、短期間で頻繁に売買を繰り替えしたり常時チャートを確認したりしなければならず、分析や取引に関する手間がかかる場合があります。
一方、スワップポイントを重視した取引の場合、1度ポジションを保有しておけばスワップ収益を受け取れるため、為替差益を狙った取引と比較して手間のかからない方法です。
そのため、多忙なサラリーマンや仕事やその他都合から常時相場を見れない方にも取り組みやすいといえます。
長期保有によりスワップポイントを継続して受け取れる
先に述べたように、ポジションを保有しておくだけで利益を得ることができる点がスワップポイントの特徴なため、長期保有することによって利益を継続的に受け取れる点もメリットとなります。
スワップポイントは原則毎日発生し、ポジションを保有していれば日々受け取ったり差し引かれたりします。(各国の祝日や土日の関係で付与されない日が出る場合もあります。)たとえば、1日平均200円のスワップポイントが受け取れる通貨ペアを1年間保有していると、「200円×365日=73,000円」の利益を得ることができます。
上記のようにスワップポイントを受け取れるポジションを長期保有すれば利益を積み重ねることができるので、コツコツ利益を得たい方、中長期的に利益を積み重ねたい方にとって大きなメリットとなります。
そのため、投資家によってはスワップポイント狙いで長期保有を前提とした取引を行っているケースも存在します。
FXのスワップポイントに関する注意点やリスク
FXのスワップ収益を狙った取引は、忙しい方や長期保有でコツコツ利益を積み重ねたい方にとってメリットがあります。ただし、スワップポイントにはメリットだけでなくリスクもあるので、事前に理解した上で慎重に判断しましょう。
それでは、FXのスワップポイントに関するリスクや注意点を1つずつ解説していきます。
金利変動によりスワップポイントが減少、あるいはマイナスになることがある
前半でも少し触れたように、スワップポイントは必ず利益を得られるものではありません。高金利通貨を売り、低金利通貨を買うと、その金利差を逆に支払わなければなりません。
また、ポジションを保有し始めた当初はスワップポイントがプラスだったとしても、金融政策や経済情勢により金利差が縮小し、スワップポイントが減少したり、マイナスに転じることもあります。
スワップ収益狙いでFXを始める場合は、各国の経済情勢や政策金利に関するニュースを日々チェックすることが大切です。
為替変動リスクも考慮する必要がある
スワップ収益を目的とした取引であっても、為替変動リスクに対しても注意する必要があります。
保有しているポジションの評価損益は、為替相場によって変動します。
そのため、スワップ収益はプラスだったとしても、為替差益がマイナスになり結果的に損失が発生してしまうこともあります。
新興国などの通貨の金利が高い国は、政治や経済の情勢が不安定なケースも多いため、相場が急激に変動する可能性も十分にあります。スワップポイントが魅力の高金利通貨ですが、為替変動リスクも高いという点には注意しましょう。
レバレッジにより損失が拡大することがある
レバレッジをかけてスワップ収益を狙う場合は、損失拡大リスクにも注意が必要です。
FXのレバレッジは、FX会社へ預け入れた証拠金よりも大きな金額で取引を始めることのできる制度です。少ない資金でもレバレッジを活用すれば取引数量を増やせるため、その分スワップ収益を増やせる可能性があります。
しかし、レバレッジをかけると為替相場のわずかな値動きでも自己資金に対して大きな損失が発生する場合がある点に注意が必要です。
レバレッジをかけてスワップ収益を得ようとする場合は、レバレッジの仕組みやリスクを理解した上で慎重に検討しましょう。
土日分のスワップポイントの受取日はFX会社により異なる
スワップポイントは毎日発生していて、日々受け取れます。ただし、土日分の受取日に関してはFX会社によって異なる場合もあります。
土日分のスワップポイントを木曜日にまとめて付与しているケースが一般的ですが、土日や年末年始、大型連休時のルールについて事前に確認しておくことが大切です。
スワップポイントによって得た利益は課税対象となる
FXの為替差益と同様に、スワップポイントで得た利益も課税対象なので、確定申告の準備を進めておく必要があります。特に確定申告の経験がない方は、注意すべき点の1つです。
スワップポイントで得た利益に対してかかる税金は申告分離課税の雑所得として扱われ、合計20.315%税率がかけられています。(所得税15.0%、住民税5.0%、復興特別所得税0.315%)
なお、給与所得者で給与以外の所得年間20万円以下といった特定の条件に該当する場合は、確定申告不要とされています。FXを始める際は、確定申告が必要・不要なケースを確認しておきましょう。
>FXに税金はかかる?
FX取引でスワップ収益を狙う際のポイント
ここからは、FX取引でスワップ収益を狙う際のポイントについてわかりやすく解説します。
金利差が大きい通貨ペアを選ぶ
スワップポイント狙いで取引を始める際は、金利差の大きい通貨ペアから検討するのが大切です。
スワップポイントは、通貨間の金利差が利益となります。そのため、金利差の小さい通貨ペアを選んでしまうと、効率的にスワップポイントを受け取れません。
以下に金利差の大きな主な通貨ペアを紹介します。
- 南アフリカランド/円
- メキシコペソ/円
- トルコリラ/円
ただし、新興国などの通貨の金利が高い国は、相場が急激に変動する可能性があるだけではなく、通貨安になるリスクがあり、スワップを含めたトータル収支がマイナスになる可能性があることに注意しましょう。新興国通貨が高金利になっている背景には、政治的リスクや経済的リスクがあることを理解した上で取引することが大切です。
国際情勢の動向を注視する
スワップポイントで長期的に利益を積み重ねていくには、前述の通り、為替差損を発生させないよう為替相場の大きなトレンドに沿ってポジションを保有できるようにすることが重要です。新興国の経済状況だけではなく、世界的な経済状況や政治状況、地政学的リスク(政治的、軍事的な緊張による経済的な不安要素)などを分析することで、為替の動向についての理解が深まるでしょう。
証拠金を多めに入金する
想定外の相場変動により、取引に必要な証拠金を下回った場合、ロスカットが執行されます。
ロスカットとは、投資家の損失拡大を防ぐために、損失が一定額に達した際に、FX会社側で保有するポジションを強制決済する仕組みのことです。
低いレバレッジでポジションを保有していたとしても、為替相場の急変によってロスカットが執行されないよう注意が必要です。
余裕を持った証拠金を入金しておけば、急激な為替相場の変動によるロスカットリスクを抑えられるため、通貨ペアの長期保有を継続しやすいといえます。
FX取引でスワップ収益を狙う方は「FXネオ」の利用を検討しよう
FX取引でスワップ収益を狙いたい方は、GMOクリック証券運営の「FXネオ」を検討してみましょう。
FXネオでは、高金利通貨でスワップ収益に適した南アフリカランド/円、メキシコペソ/円などの通貨ペアも取り扱っています。
FXネオに付帯されている高機能チャートツールは無料で利用可能なだけでなく、初心者から上級者まで使いやすい仕様になっています。また、パソコンの他、スマホやタブレットといったさまざまなデバイスでツールを活用できるため、外出先でもトレード情報を確認したりチャート分析を行うことができます。
スワップ収益を狙っている方は、この機会にGMOクリック証券でFX取引を始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
FXのスワップポイントとは「金利差調整分」とも呼ばれ、金利の高い通貨と金利の低い通貨の間で生じる金利差を指します。
2国間の通貨を売買するFX取引において、高金利の国の通貨を買って低金利の国の通貨を売った場合に、その金利差分をスワップとして受け取ることができます。
高金利通貨の買いポジションを保有しておくだけでスワップ収益を得ることができ、長期保有することによって利益を継続的に受け取れる点がメリットとなります。
ただし、金利変動によりスワップポイントが減少、あるいはマイナスになることがある点、為替変動リスクも考慮する必要がある点などに注意し、トレンドに沿った取引ができるよう国際情勢を分析して為替の動向への理解を深めることが大切です。
FX取引でスワップ収益を狙いたい方やスワップポイントも含めた取引を検討している方は、GMOクリック証券の運営している「FXネオ」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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