
FX(外国為替証拠金取引)は、レバレッジを効かせることで少ない自己資金で大きな利益を狙うことができる魅力的な投資方法です。しかし、FXの特徴を十分に理解せずに取引を始めると、大きな損失を被るリスクがあるため、注意も必要です。本記事では、FXのメリットとデメリットについて詳しく説明し、大きな損失を防ぐためのコツも解説します。
FXとは?

FX(外国為替証拠金取引)とは、異なる国の通貨を売買することで利益を積み重ねていく投資方法です。本取引では、米ドルと日本円、ユーロと米ドルなど、異なる通貨ペアを対象に売買を行います。少額の自己資金で大きな取引ができる「レバレッジ」を利用することで、必要証拠金以上の取引が可能です。ただし、その分リスクも高くなる点には注意が必要です。
FXの大きな特徴は、24時間取引が可能であることです。為替の特徴として、世界中の主要なマーケットが異なる時間帯にオープンしており、平日であれば24時間取引できる環境が整備されています。日中に忙しい人でも、夜間に取引ができる利便性があります。
さらに、FXでは円高でも円安でも利益を得る機会があります。例えば、円安になると見込んでドル買い円売りを行い、実際に円安になったときにドル売り円買いを行うことで、利益を得ることができます。また、逆に円高になると見込んでドル売り円買いを行い、その後円高になったときにドル買い円売りを行うことで利益を得ることも可能です。
FX取引を行う際には、証拠金をFX業者に預け、それを元に取引を行います。証拠金が一定額を下回ると追加の証拠金を求められることがあるため、リスク管理には気を配る必要があります。
FXはメリットの大きい金融商品ですが、リスクも伴う商品性であるため、リスク管理をしつつ、商品の仕組みをしっかりと把握することが重要です。初心者は、まず基礎知識をしっかり学び、小額から始めることをおすすめします。
FXのメリット

FXには、レバレッジを利用することで少額から始められること、取引時間が長いことなど、多くのメリットがあります。次章では、大きく分けてFXのメリットであると考えられる5つのポイントを解説します。
少額で取引を始められる
FX取引のメリットの1つ目は、少額で取引を開始することができることです。理由としては、「レバレッジ」の仕組みを利用できるためです。レバレッジとは、少額の証拠金を元により大きな金額の取引ができる仕組みです。金融庁のレバレッジ制限によって最大レバレッジは「25倍」とされており、通貨ペアの種類を問わず、取引金額の4%以上の証拠金を差し入れて維持する必要があります。たとえば、最大25倍のレバレッジをかける場合、4万円の資金で100万円の取引ができると考えると非常にシンプルです。
ただし、レバレッジを大きくすると、大きな損失が出るリスクも高くなるため、FX初心者は証拠金をぎりぎりまで使用する高レバレッジでなく、証拠金に余裕を持たせる低レバレッジで取引することが大切です。
取引時間が長い
FXは平日と祝日のほぼ24時間取引が可能であり、自分のライフスタイルに合わせて取り組めます。取引は外国為替市場で行われますが、実際の取引場所があるわけではなく、東京、香港、シンガポール、ロンドン、ニューヨークなどの都市名が市場名として使われています。これらの都市で順次市場が開かれ、平日は常にどこかの市場が動いています。一般的なFX業者が提供している取引可能時間は、月曜の午前7時から土曜の午前7時までですが、サマータイム中は取引時間が1時間前倒しになります。ただし、土日は世界中の金融機関が休みのため、取引を行うことができません。
上昇・下落局面の両方で利益を狙える
FXの取引では、取引通貨ペアの上昇局面でも下落局面でも利益を狙えるという点がメリットです。為替相場がどの方向に動いても、収益を上げる機会があります。具体的には、通貨の価値が上がると予想する場合にはその通貨を買い、実際に価値が上がったときに売ることで利益を得ます。これを「ロングポジション」といいます。例えば、1ドル=100円のときに1万ドルを買い、円安が進行して1ドル=110円になったときに売却すると、10万円の利益が出ます。逆に、通貨の価値が下がると予想する場合には、その通貨を売り、実際に価値が下がったときに買い戻すことで利益を得ます。これを「ショートポジション」といいます。例えば、1ドル=100円のときに1万ドルを売り、円高が進行して1ドル=90円になったときに買い戻すと、同様に10万円の利益が得られます。このように、FXでは相場が上昇する局面でも下落する局面でも、正しく予測して適切なタイミングで売買を行うことで利益を狙うことができます。
取引コストが安い
多くのFX業者では、取引手数料が無料のところが多く、GMOクリック証券でも取引手数料は無料となっています。ただし、実質的なコストとしてスプレッドがコストとしてかかります。
スプレッドとは、通貨の買値と売値の差のことを指します。この差額が取引コストとなり、売買ごとにスプレッドに応じた取引コストがかかります。
スワップポイントが受け取れる
FX取引では、為替変動で得る収益の他に、スワップポイントによっても収益を得ることができます。スワップポイントとは、取引通貨ペアの2か国間の金利差によって発生する利益を指します。国によって金利水準に差があることから、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うことで、金利差による利益を得られます。特に新興国通貨と言われるトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドなどは高金利通貨の代表格です。スワップポイントは、通貨ペアを保有したまま日をまたぐ毎(営業日が変更)に付与されます。ただし、金利が変動することで受け取れるスワップポイントが少なくなる、マイナスに転じることもあるので、この点はFX業者のスワップカレンダーなどを参考にしてください。
FXのデメリット

FXには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。知らないことで不利益を被らないように、デメリットを理解し、注意することが重要です。次章では、FXの主なデメリットを3つ解説します。
投資金額以上に損するリスクがある
FX取引では、レバレッジを利用することで少額の資金で大きな利益を狙うことができますが、その反面、損失も大きくなるリスクが存在します。例えば、1ドル=100円のときに証拠金10万円で1,000通貨を取引する場合(レバレッジ1倍)で1ドルが90円に値下がりした場合、損失は1万円(-10円×1,000通貨で1万円)ですが、最大25倍のレバレッジをかけていると25万円の損失になります。高いレバレッジを利用すると、予想外の市場の値動きにより短期間で大きな損失を被る可能性があるため、慎重に取引を行う必要があります。
このように、レバレッジ取引は利益を増加させる一方で、リスクも大きくなるため、慎重な取引が求められます。十分なリスク管理を行い、損失を最小限に抑えるための戦略が重要となります。特に、FX初心者は低レバレッジでの取引をおすすめします。
金利変動で損するリスクがある
メリットとして先に伝えたように、FXでは為替変動に加えて、2ヵ国間の金利差によって発生するスワップポイントで利益を得ることができます。しかし、スワップポイントは日々変動するため、市場の金利動向によっては受け取りから支払いに切り替わり、損失を被る可能性があることに注意が必要です。
常に値動きが気になって疲れる
FX取引は、平日と祝日のほぼ24時間取引が可能であるため、常に為替レートの動きに気を配る必要があります。このため、仕事中や私生活でもチャートを気にしてしまうことがあり、ストレスの原因となることがあります。値動きに敏感になりすぎると、安定した利益を得られないケースや、仕事や私生活に影響が出ることも考えられます。リスクを軽減させるために、FX取引では指値、逆指値、イフダン、OCOなどの注文方法が用意されているため、ぜひご活用ください。
FXに向いている人

FX取引にも言えることですが、金融商品全般において、収益を積み重ねていける人は自己管理ができ、冷静な判断ができる人、また勉強を継続的に行える人が特徴として挙げられます。次章では、FXに向いている人の特徴を大きく2つ紹介します。
冷静な判断ができる
FX取引において、損失を最小限に抑えつつ利益を最大化することが何よりも重要です。冷静な判断力を持ち、小さな負けが続いても感情的にならず、勝率を上げることで、トータルで利益を確保するという考えが必要になります。短期的な利益追求によっては、感情や思惑が阻害し、想定以上の損失を招く可能性があるため、慎重な取引が求められます。
勉強が苦ではない
FX取引において、勉強せずに無計画に取引すると中長期的な利益を得ることが難しく、大きな損失を被るリスクがあります。戦略的な取引を行うには、専門用語やチャート分析、有効的な注文方法を学ぶ必要があります。マイナスを被った場合は、その原因を振り返って分析することで、同じ失敗を繰り返さなくなります。さらに、日々の経済ニュースを追いかけることも重要であり、常に学び続ける姿勢が求められます。
FXで大きな損失を防ぐコツ

FX取引は、大きな利益を狙える一方で、大きな損失も招く可能性があります。無計画に取引を開始してしまうと、「知らない」ことで損失を被ってしまうこともありますし、防げた損失を顕在化します。次章では、大きな損失を防ぐために知っておくべきコツを大きく分けて3つ紹介します。
余剰資金で取り組む
FX取引では、元本が保証されていないため、ある程度の損失が生じても生活に支障が出ないように、余剰資金で取り組むことが重要です。普段の生活や緊急時に備えて、約6ヶ月から1年分の生活費を確保した上で、即座に必要のない資金でFXを行うことが推奨されます。生活に支障が出ないようにするためには、資金管理を徹底することも大切です。
低レバレッジで取引する
レバレッジを高くすると大きな利益を目指せる一方、損失も比例して大きくなります。レバレッジは取引数量や証拠金の割合に応じて決定され、計算式は「(為替レート×取引数量)÷証拠金」となります。例えば、1ドル=100円のときに証拠金1万円で1,000通貨を取引する場合のレバレッジは10倍ということになります。証拠金を増やすとレバレッジは低下し、上記の場合であれば証拠金が2万円であればレバレッジは5倍となります。レバレッジは25倍まで許容されていますが、FX初心者はまず証拠金に余裕を持ち、低レバレッジでの取引を行うようにしましょう。
損切ルールを決めておく
FX取引では、感情に左右されず冷静に取引することが不可欠です。特に大きな損失を避けるためには、事前に損切りルールを設定し、実行することが重要です。ただ、損切りを行うということは、非常に難解であることも事実であるため、ルールを守るためには、設定した損失水準で自動的に売却される逆指値注文を活用することと効果的です。逆指値注文を設定しておけば、チャートを監視していないときでも指定した価格に達した際には自動的に損切りが行われ、損失を最小限に抑えることができます。
まとめ
FXのメリットは、上昇局面・下落局面の両方で利益を得る機会があり、レバレッジを利用することで、小額から取引が可能となることです。平日であれば24時間取引が可能で、取引コストも安く、スワップポイントの授受など、さまざまなメリットがあります。しかし、高いレバレッジをかけると大きな損失を被るリスクがある点には注意しましょう。
また、FX取引に向いている人には冷静は判断や勉強が必要になります。ただ、きちんと自身のルールを守り、適切な取引を行うことで、必要以上のリスクは避けることはできますので、まずは資金に余裕を持ち、感情的にならない程度の数量や金額で取引を行ってください。
FX取引には高機能ツールが使える「FXネオ」の利用を検討してみよう

FXは少額の資金で大きな利益を狙える金融商品であり、上昇・下落局面の両方で取引を行うことができ、自分のライフスタイルに合わせて取引できる柔軟性があります。しかし、「知らない」ことでレバレッジの取引を誤解して始めてしまうと、投資金額を超える損失を出すリスクがあるので、FXを始める際にはメリットとデメリットを理解し、適切な知識を身につけることが重要です。
また、FX取引をスタートするにあたり、GMOクリック証券が運営する「FXネオ」での口座開設がおすすめです。取引手数料は0円、スプレッドにおいても業界最小水準、口座がなくてもすぐ始められるデモ取引が用意されているので、初心者でも安心して取引を始められる環境が整っています。ぜひ、ご検討ください。
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