本記事ではFXの休場日はいつになるのか、通常営業日と休場日の取引時間はどう違うのかなどの、取引可能時間に関する疑問点を解説いたします。
FX市場は株式市場と違い通常営業日においては基本的には24時間取引が可能です。そうなってくると、土日の取引は可能なのか、日本の祝日は取引が可能なのか、日本の祝日だけでなく海外の祝日では取引が可能なのか、祝日の際には短縮取引などがあるのかなどの疑問がでてくると思いますので、各章ごとに解説いたします。
また、FXで休場日にポジションを持ち越す際の注意点、休場日前後の市場の動きはどうなっているのか、休場日のスワップポイントは付与されるのかどうかなどの解説も合わせて行います。
FXの休場とは?
基本的に、FXには「株式のような取引所」が存在しません。FX取引は、世界中の銀行などによる外国為替取引のためのネットワーク(俗に言うインターバンク市場)で取引が行われます。そのため、FX取引はニュージーランドのウェリントン市場から始まり、その次にオーストラリアのシドニー市場、ここから東京市場を筆頭としたアジア市場、ロンドン市場、フランクフルト市場を筆頭とした欧州市場、最後にニューヨーク市場などと受け継がれていき、24時間、世界中のあらゆる場所で絶えず取引ができます。GMOクリック証券などのFX会社は、このインターバンク市場の価格を基にお客様へのプライスを生成するため、24時間取引が可能になります。
しかし、世界中の銀行が休みとなる以下の日程では休場日、短縮取引日に指定されます。
①土日
②1/1(元旦)
③12/25(クリスマス)
③のクリスマスにおいては、東京市場こそオープンになっていますが、その後の欧州市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場が全て休場となるため、東京市場クローズ前、欧州市場オープン前(15時目途)の時間帯で取引が停止される短縮取引日となります。
FXの取引可能時間
原則、土日や元旦、クリスマスを除いて、ほぼ24時間取引が可能です。取引時間は、月曜午前7:00~土曜午前7:00、注文受付は、メンテナンス時間を除き、原則24時間365日(ただし、取引時間外は指値などの予約注文のみ受付け)となっております。GMOクリック証券では、平日のメンテナンス時間がないため、ほぼ24時間取引可能と言えます。
また、標準時間では午前7:00までが取引可能時間であるのに対し、夏時間表記の場合は午前6:00までが取引可能時間となっています。その理由としては、ニューヨーク市場の取引時間は日本では導入されていないサマータイムで変動する仕組みになっているからです。サマータイムとは、標準時間を1時間前倒しすることで、太陽が出ている時間を有効活用する制度になります。米国ではこのサマータイム制度が導入されているため、取引時間帯も1時間前倒しになります。米国のサマータイムは、3月第2日曜日~11月第1日曜日までになっており、それ以外の営業日は標準時間となるため、午前7:00までが取引可能時間となります。
※米国夏時間の取引時間は、月曜午前7:00~土曜午前6:00となります。
※一部FX会社、証券会社では午前7:00前後(夏時間の場合は6:00前後)にメンテナンスが入る場合があります
土日や祝日のFX相場に値動きはある?
以下のような条件が揃うと、FX相場には大きな影響が出ます。『FXの取引可能時間』でも記載した通り、土日、祝日(元旦やクリスマスなど)は営業日に該当しないため値動き自体はありませんが、土日、祝日に以下のような大きなニュースや出来事があると、大きな値動きに結びつくことがあります。
①経済動向などのファンダメンタルズ要因
②政権交代や貿易・外交問題などの政治的な要因
③相場の先行きの期待不安などの心理的な要因
④テロや戦争、自然災害などの地政学的な要因
正確には土日に上記のようなニュースや出来事があると、投資家が取引可能となる月曜日の午前7:00(GMOクリック証券の場合)前のアジア市場で大きな値動きがあり、前週金曜日の最終価格(クローズレート)から乖離して市場が開始される『窓開け』と言われる動きになります。
※厳密には、中東の一部地域では土日が休みでなく金曜日が休みとなるため、土日の値動きに影響を及ぼしますが、僅かな値動きであることが多いです。
FX取引で休場日にポジションを持ち越す際の注意点
前章で解説したように、土日などに為替に影響を与えるニュース、出来事があると思いがけない値動きが発生し、『窓開け』と言われる金曜日の最終レートと月曜日の開始レートが乖離した場合にチャートの間に隙間(ギャップ)ができる現象が起きます。
土日にポジションを持ち越す際には、この窓開けリスクがあるため、リスク管理には十分ご注意ください。
休場日の前日はFX相場の値動きが荒れやすい
為替相場の特徴として、前章で解説したように週末のポジション持ち越しには大きなリスクが伴うため、ポジションを持ち越したくないと考える投資家から金曜日は保有ポジションの決済が入りやすく、FX相場が大きく動きやすいことが挙げられます。
FXの主な取引スタイルは以下の4つに分類されますが、④のポジショントレード以外は、基本的には週末にポジションを持ち越さない取引スタイルであるため、週次の最終営業日である金曜日には決済取引が多い特徴があります。
①スキャルピング(非常に短い期間で取引を行うトレード手法)
②デイトレード(翌営業日のポジションを持ち越さないトレード手法)
③スイングトレード(週跨ぎのポジションを持ち越す場合があるものの、基本的には週跨ぎは行わないトレード手法)
④ポジショントレード(取引回数が少なく、週跨ぎなども常時行うトレード手法)
また、毎月第1金曜日には米国の雇用統計が発表されます。米国の雇用統計の内容次第では市場に大きな影響を与えるため、雇用統計前にポジションを決済する傾向が強く、ファンダメンタルズの側面からも警戒感が強く、決済が入りやすいという状況になります。
ファンダメンタルズ分析以外にも、テクニカル分析で取引を行う投資家が多くいますが、④のポジショントレードに関しては日足~週足の長い足種を使用しますが、①スキャルピング、②デイトレード、③スイングトレードについては、非常に短い足から長くても日足の足種を使用するため、週跨ぎのタイミングでは決済のサインが出易いという特徴もあります。
休場明けの相場は窓開けが発生しやすい
『窓開け』とはギャップとも呼ばれることがあり、休場日前後の相場チャートの間に隙間ができることを指します。土日に金融ショック、政治変動、災害、テロなどが起こると為替相場が大きく動き、週明け月曜日に『窓開け』が発生することがあります。もし『窓開け』が発生して保有ポジションの逆方向に値が動いた場合は、大きな損失を出す可能性があるため、注意が必要になります。
ここで気を付けたいのが、『窓開け』があった月曜日早朝の取引が開始される時間帯にロスカットされることです。リスクを考慮し、週跨ぎのタイミングなどで逆指値の注文を入れることがあるかと思いますが、『窓開け』のあった場合は、『窓開け』後のレートで逆指値が約定することになりますので、想定していたレートでの約定ができないことが往々にしてあります。また、『窓開け』の度合いが大きい場合は、預けた証拠金以上の損失を出す可能性もあるため、ポジションを持ち越す場合は『窓開け』のリスクを十分に考慮する必要があります。
一番身近な海外の選挙として米国の大統領選挙が有名ですが、「11月の第1月曜日のあとの火曜日」と法律で定められているため、平日に行われます。米国以外でも、海外では平日に行われることの多い選挙ですが、日本では1970年以降の国政選挙では投票日を一般に休日である日曜日にすることが慣例となっています。地方選挙でも全国的には日曜日を投票日とする自治体が大半であることから、ある程度予測できる窓開けのイベントとしては、日本の選挙が挙げられます。このようにある程度準備可能なイベントであれば準備が可能ですが、土日の予測不能なイベントの場合は、想定外の値動きになる場合があるため、注意が必要になります。
休日でもスワップポイントは発生する
スワップポイントとは、2ヶ国間の金利差によって発生する金利差調整分のことを指します。金利差により、スワップポイントが利益となる場合もあれば、損失となる場合もあります。例としては、超低金利通貨である日本円と高金利通貨であるメキシコペソで考えます。「FXネオ」ではMXN/JPYと表記されており、同通貨ペアを買う場合は、低金利の円を借りて高金利のメキシコペソを買うことになります。その結果、円とメキシコペソの金利差を受け取ることになります。この金利差を「スワップポイント」または「スワップ金利」と呼びます。
※ちなみに、MXN/JPYと表示されている場合、前者のMXNが建玉通貨、後者のJPYが決済通貨となります。EUR/USDなどの外貨同士の通貨ペアであれば、EURのプラス材料があればEUR/USDが上昇、USDのプラス材料があればEUR/USDが下落するといった構図となります。
GMOクリック証券のFX取引は、受渡日を更新するロールオーバー方式を採用しているため、日々受払いが発生します。つまり、日本円より金利の高い通貨を買うと、日々スワップポイントを受け取ることができます。逆に、日本円より金利の高い通貨を売ると、日々スワップポイントを支払うことになります。
ニューヨーククローズ時点で建玉を保有していた場合、保有しているポジションは受渡日を更新するためロールオーバーされ、スワップポイントが発生し、余力に反映されます。スワップポイントの受払いが行われ、出金が可能になるのは約定日のニューヨーククローズ後となります。
スワップポイントは休場に関わらず、365日毎日発生します(スワップポイントの受け取りタイミングは各社で異なる場合がある)。ただし、国内外の祝祭日の影響により、ニューヨーククローズ時点で建玉を保有していてもロールオーバーが行われないため、スワップポイントが発生しない営業日があります。
通常時であれば、毎週水曜日のニューヨーククローズ時点では3日分のスワップポイントが付与されます。これは、スポット取引と呼ばれるインターバンク市場の外国為替取引のひとつで、約定から資金受渡日までの期間が2営業日以内の取引のことを指します。つまり、水曜営業日から木曜営業日へポジションを持ち越すことは、資金受渡日を2営業日後の金曜日から翌月曜日にロールオーバーを行うので、金曜、土曜、日曜の3日分のスワップポイントが付与されることになります。
同シチュエーションで翌月曜日が日本の祝日の場合は、月曜日が受渡日に該当しないため、翌火曜日にロールオーバーされます。この場合は、3日分でなく4日分のスワップポイントが付与されます。よって、祝日でもスワップポイントが発生するということになります。
FX取引には高機能ツールが使える「FXネオ」の利用を検討しよう
GMOクリック証券が提供する「FXネオ」の特徴としては、業界最小水準のスプレッドでお取引が可能であること、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円、トルコリラ/円などの高金利通貨も取引可能であり、高水準のスワップを提供しております。
「FXネオ」は、サクサク快適に取引できる高機能ツールが利用可能です。また、パソコンとスマートフォンの両方で高機能の取引ツールが使えるのも魅力の一つです。デモ取引や手厚いサポートも利用できるので、初心者から上級者まで、ご自身の環境に合わせて利用することが可能です。特にスマホアプリについては、2年連続年間No.1(株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド調べ)と評価されており、ストレスフリーなスマホアプリの取引環境をご用意しております。
お申し込みから最短即日で口座開設が可能であり、口座開設は無料となっております。ご興味のある方は、ぜひこの機会にFX取引を始めてみてはいかがでしょうか。FX取引を始めようと思っている方は、GMOクリック証券が運営する「FXネオ」を検討ください。
まとめ
FX取引は、世界中のどこかの市場がオープンになっているため、ほぼ24時間いつでも取引が可能です。ただ、土日と元旦、クリスマス(短縮取引)は休場日となり取引を行うことができません。取引時間については、米国がサマータイム制度を導入していることで標準時間と夏時間に分けられます。米国のサマータイムは、3月第2日曜日~11月第1日曜日までとなり、その他は標準時間(土曜日の午前7:00が最終取引時間)となります。FX取引は休場日であっても、世界で起きている出来事によっては為替に大きな影響を及ぼし、休場明けのFX市場が混乱することもあるので、リスク管理には十分な注意が必要です。FX取引で土日や祝日(元旦、クリスマス)にポジションを持ち越す際には、今回の記事で紹介した点を十分に考慮ください。
休場日の前日はポジションを決済する動きが活発化するため、FX相場が大きく動く可能性が高くなります。また、毎月第1金曜日には米国の雇用統計が発表されるため、米国の雇用統計の発表前は特にポジションを決済する動きが強まります。ポジションをコントロールできない土日のニュースや出来事で週明けの月曜日には金曜営業日のクローズレートから大きく乖離して開始されることも考えられるため、ポジション管理には十分配慮を行い、取引を行ってください。
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